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安倍政権の経済対策が「景気」と「株価」に与える影響は?

2019/12/10(火) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

●今回の経済対策は、財政支出13.2兆円、事業規模26兆円で、前回に匹敵する大型の対策に。

●効果は数年度にわたり顕在化、2020年度と2021年度の実質GDP成長率見通しを上方修正。

●経済対策は株式相場を一定程度支えると思われるが、全体を強く押し上げるにはやや力不足か。

今回の経済対策は、財政支出13.2兆円、事業規模26兆円で、前回に匹敵する大型の対策に

安倍政権は12月5日、「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」を閣議決定しました。今回の経済対策は、(1)「災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」、(2)「経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援」、(3)「未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上」を3つの柱とし、持続的な経済成長の実現を目指すものです。

経済対策の規模をみると、財政支出が13.2兆円で、民間の支出も加えた事業規模は26兆円に達します(図表1)。これは、前回(2016年8月、財政支出13.5兆円、事業規模28.1兆円)に匹敵する大型の経済対策です。なお、財政支出の13.2兆円について、内訳は国と地方による支出が9.4兆円(うち国費は7.6兆円)、財政投融資経由での支出が3.8兆円となっています。

効果は数年度にわたり顕在化、2020年度と2021年度の実質GDP成長率見通しを上方修正

経済対策の効果を見る上では、GDPに直接影響を与える「真水」の部分が重要となります。前述の通り、国と地方による支出が9.4兆円です。日本の年間実質GDPを550兆円とすれば、9.4兆円は1.7%程度に相当します。なお、政府は実質GDPの押し上げ効果を1.4%程度と試算していますので、これに基づけば、9.4兆円のうち、公共投資にかかわる用地取得費などを除く7.7兆円が、追加的な需要押し上げにつながると考えられます。

ただ、経済対策の柱である公共投資は、建設業の人手不足を背景に、執行に時間を要する見込みであることなどから、実際の政策効果は、複数年度にわたって顕在化していくと思われます。この点を踏まえ、弊社は日本の実質GDP成長率の見通しについて、2019年度は前年度比+0.7%を維持するものの、2020年度は同+0.5%から+0.7%へ、2021年度は同+0.7%から+0.8%へ、それぞれ上方修正しました。

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最終更新:2019/12/10(火) 7:00
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