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89歳の要介護女性がヤマトの荷物運ぶ深い理由

2019/12/10(火) 5:50配信

東洋経済オンライン

 11月のよく晴れた昼下がり、福岡県大牟田市の介護施設「てつお」を訪れると、ヤマト運輸のゼッケンを着てリビングで談笑する内田アケ子さん(89歳)の姿があった。

【写真】高齢者に職員が連れ添い配達する様子

 「てつお」施設管理者の浦幸寛さんが「内田さん、行きましょうか」と声をかけると、ほかの利用者やスタッフから「行ってらっしゃい」「頑張って」と励まされ、うれしそうに玄関へ。1時間ほどかけて、近所の病院や個人宅などに荷物を届けてまわる。

 「メール便はポストに入れればいいけど、内田さんの顔を知ってもらうためにできるだけ手渡しするようにしています」と浦さん。

 内田さんは元気に歩きながら、「次はどこかな」「あのお宅は最近行ってないね」などと浦さんに話しかける。道では多くの人から「お疲れさま」「頑張ってますね」と声をかけられ、笑顔で応じる内田さん。

 「外を歩くと風景が変わって、人にも会えるから楽しいですよ。ずっと続けていきたい」と満面の笑みで語る。

■ヤマト運輸のDMを高齢者が配達し手当を支給

 ヤマト運輸(東京都)と大牟田市の介護施設「てつお」は業務委託契約を結び、2019年2月から施設の利用者がダイレクトメールの配達を始めた。施設に週1回通う内田さんは、長く美容師をしていたが、高次脳機能障害で認知機能が低下しており、自宅から外出して何度か行方不明になったこともある。

 「内田さんはいつも笑顔で明るく外出が好きなので、配達にピッタリだと思い声をかけました」と浦さん。約20通のダイレクトメールを職員と一緒に歩いて近所に届ける。

 1通当たりの単価が設定されており、月1000~2000円の手当はすべて内田さんに入る仕組みだ。

 人手不足のヤマト運輸にとっては貴重な働き手で、住宅街を歩いて届けてもらうことで車事故の心配がなく環境にも優しい。

 福祉事業者としては、利用者の自立支援につながり、認知症の方を地域で知ってもらう機会になる。

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最終更新:2019/12/10(火) 5:50
東洋経済オンライン

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