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消費財としての「大麻」は、ブランディング可能か?:米・クレスコラボの挑戦

2019/12/11(水) 12:01配信

DIGIDAY[日本版]

米国における大麻の広告事情は複雑だ。全50州で合法化されていないだけでなく、広告に関する規制も流動的に変わり続ける。だが大麻ブランドのクレスコラボ(Cresco Labs)は一般的な消費財分野のマーケターと同じようにマーケティングを行いたいと考えているようだ。

全米12州で大麻商品を販売している同社は、可能な限り多くのチャネルで大規模なマーケティングを行っている。新しいブランドとして消費者からの知名度を高めるのが狙いだ。現在、大麻ブランドの広告を許可しているソーシャルプラットフォームは存在しない。そのためクレスコは伝統的なマーケティング手法を活用している。同社はカリフォルニア州で大規模な屋外広告を展開しているほか、ローリング・ストーン(Rolling Stone)やバラエティ(Variety)、ワイアード(Wired)、GQといった紙媒体のメディアへの広告やプログラマティック広告、ディスプレイ広告を利用している。

クレスコのブランドマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるコーリー・ロスチャイルド氏は「当社は大麻を普通の商品として認識してもらおうと取り組んでいる。この取り組みをマーケティングにおけるクリエイティブのメッセージでも打ち出しているが、広告を展開する媒体自体の影響も大きい」と語る。「ブランドの広告が掲載されているというだけでも、その媒体を見た人間の認識を変えることにつながる。広告を展開するのは容易ではないが、大麻業界全体として従来の消費財企業と同じようにメディアにアプローチするようになりつつあるなかで、当社のこうした努力は重要なのだ」。

特有の「制限」を「機会」に

洗濯洗剤や万能クリーナーの宣伝が載っているようなチャネルに広告を展開することで、クレスコブランドだけでなく大麻自体に対する人々の認識を変えようとしている。11月はじめに同社が発表した最新のマーケティングキャンペーン「エクセレント・エブリデイ・カンナビス」は、カリフォルニア州におけるクレスコブランドの知名度を高めることを狙いとしていた。

展開できるメディアが制限されていることについて、ロスチャイルド氏は「いまや多数の企業がソーシャルメディアで1秒でもオーディエンスの目にとまろうと多額の投資を行っている。そんななか我々の業界は一歩引いた所で昔ながらの手法を展開できており、良いことだと感じている。メディアスペースでは2番手、3番手の存在として捉えられがちな、より基礎的なメディア露出のチャンスを得られている」と語っている。「制限であると同時に、マーケターとして限られたエコシステムのなかで、どのようにブランドをゼロから構築していくかを考え直す、またとない機会となっている」。

同社はマーケティング予算の50%を従来型のメディアに割いており、その大半が屋外広告となっている。そして30%をペンスケ(Penske)やコンデナスト(Condé Nast)といった従来型のパブリッシャーに、15%をプログラマティックに、残り5%をリーフリー(Leafly)やウィードマップス(Weedmaps)といった大麻系パブリッシャーに使用している。クレスコラボはマーケティング予算の総額については公表していない。カンター(Kantar)によれば、同社は今年上半期で1万2000ドル(約130万円)をメディアに投じている。

また同社はプログラマティックへの取り組みを強化している。15%という予算割り当てについてロスチャイルド氏は「消費財分野で大麻ブランドを確立するにあたってプログラマティックは非常に利用価値が高い」と語る。「私がゲータレード(Gatorade)に務めていたときも同じだった。効果という観点でいえば、非常に正確に目標にリーチできる。大麻業界における初の正式な消費財企業としてブランドを構築するにあたり、効率、オーディエンスの規模、支出といった面でも優秀だ」。

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最終更新:2019/12/11(水) 12:01
DIGIDAY[日本版]

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