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個人向け国債、現金付与でお得感 安全性にも注目

2019/12/11(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

超低金利の環境が続く中、個人向け国債の人気が再燃している。預貯金に比べて高い金利がもらえるほか、中途換金しやすく元本割れしないことなどが見直されている。ボーナスシーズンなどに合わせ証券各社が購入時に現金やポイントを付与するキャンペーンを実施していることもあり、発行額は増加傾向にある。

■下限金利は0.05%

個人向け国債は個人の保有を促進するため国が2003年に発行を始めた。半年ごとに年2回、利子が支払われ、満期になると元本が償還される。主に機関投資家が市場で売買する利付国債の価格は市場金利によって変動し、売却時に損益が発生するのに対し、個人向けは途中で換金しても元本がそのまま返ってくる。

固定金利の3年債と5年債、変動金利の10年債の3種類があり、いずれも毎月発行されている。最低1万円から1万円単位で購入できる。1年経過すると換金できるが、直前2回分の利子は差し引かれる。
12月募集分の金利(変動10年債については初回金利)はいずれも下限金利である0.05%。固定3年債は14年11月以来この水準が続いている。変動10年債も16年以来ほぼ0.05%で推移しているが、需要は拡大傾向にある。
SMBC日興証券の梅田剛金融市場マーケティング部長は「金利上昇時のメリットを得られる変動債への関心が高い」と話す。個人向け全体の発行額は18年度4兆6927億円と06年度以来の高水準。今年度はそれを上回るペースにある。
販売窓口である証券会社などが購入時に実施している現金やポイントの付与も「お得感」につながっている。日興や野村証券など大手はほぼ毎月、購入額に応じてキャッシュバックするキャンペーンを行う。

■「入門商品」の位置づけも

例えば変動10年債では100万~199万円購入すると2000円が「プレゼント」される。1000万円だと4万円。金額が大きいほど「利率」は高まる。
ネット証券では楽天証券が12月、楽天のポイントを付与するキャンペーンを行う。10万円でも0.1%のポイントがもらえるので、少額で投資する人にはお得だ。夏と冬に実施しており、6月の販売額は前年同月に比べて1.5倍になったという。
購入者の過半は60歳以上。資産運用を始める人が「入門商品」として個人向け国債を選ぶケースも多いという。販売窓口は証券会社のほか銀行や信金など幅広いが、ファイナンシャルプランナーの森本幸人氏は「資産運用を始めるなら、投資信託なども購入できる証券会社に口座を開く方が便利」と話す。
ゆうちょ銀行などでは個人向けに「新窓販国債」と呼ぶ商品も販売している。一般の国債と同様に市場で売買すると元本割れのリスクがあり個人向け国債とは異なる。もっとも金利低下に伴い、今年に入り取り扱いはない。
(成瀬美和)
[日本経済新聞朝刊2019年12月7日付]

最終更新:2019/12/11(水) 7:47
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