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日本が直面している最大の危機は温暖化ではなく人口減少

2019/12/11(水) 12:17配信

Wedge

 スペイン・マドリードで気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が12月2日開幕した。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、開幕式典で気候変動は長期的な課題ではなく、いまそこにある危機とスピーチした。各国の取り組みを定めたパリ協定が目標とする産業革命以来の気温上昇を2度、可能ならば1.5度に抑えるためには2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする必要があるとも訴えた。

 欧州連合(EU)でも11月下旬EU議会が気候変動は非常事態にあると決議し、同時に2030年のEUの温室効果ガス排出目標を1990年比40%削減から55%に引き上げるよう求める決議も行った。ただ、満場一致ではなく、両決議案の賛成票は全投票の64%に留まった。賛成票を投じなかった委員の中からは喫緊の課題ではあるが、非常事態と呼ぶのは適切でないとの声があった。

 日本でも、スウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんの国連気候変動サミットでのスピーチ、「人々は被害を受け亡くなっている。全ての生態系は崩壊しつつあり大規模な絶滅の始まりにいる。だけど、あなた方が話しているのはお金と永遠の経済成長ばかり」を支持する声もある。

 しかし、温室効果ガスの排出量が温暖化にどのような影響を与えているのか、さらに気温上昇が世界に何をもたらすのか、分からないこともまだ多い。トゥーンベリさんは「科学は示している」というが、気候変動、地球温暖化の科学ではまだ分からないことが多い。大規模な絶滅の始まりにあると断定することには無理がありそうだ。

 日本を初めとしたいくつかの国は、気候変動問題に非常事態として取り組むには安全保障、コストの面から難しい状況に直面している。戦後75年を来年迎える日本は、これから急激な人口減少に直面し今後75年間で人口は半減する。このままの状況が続けば200年後には人口は今の約10%になると推定されている。人口が経済力、国力に直結する訳ではないが、1億2600万人の人口を抱える国には急激な人口減少は大きな問題を引き起こす。最優先課題は温暖化対策ではなく、社会の維持だ。

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最終更新:2019/12/11(水) 12:17
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