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メキシコ最大最凶のカルテルCJNGを率いる1000万ドルの賞金首、「新麻薬王」は元警官だった

2019/12/11(水) 8:32配信

HARBOR BUSINESS Online

 毎日142人が麻薬の常習で死亡しているという悲惨な現状を抱えている米国。その麻薬の大半がメキシコから持ち込まれている。そして今、米国麻薬取締局(DEA)が最大の焦点を合わしているのが、先日もお伝えしたメキシコ最大にして最凶のカルテル「ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオン(CJNG)」の動きだ。

 CJNGはカルテルでは現在シナロアを凌ぐ最大の勢力を持ち、米国で35の州とプエルトリコで密売ネットをもっているからだ。(参照:「UNIVISION」)

最大にして最凶のカルテルCJNGはこう生まれた

 CJNGの前身はカルテルミレニオだ。ミレニオはシナロアと同盟を結んだ仲であった。ミレニオの二人のリーダーの一人は亡くなり、もうひとりは逮捕された後、2派に分裂した。そのひとつを2009年から率いたのがネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ、53歳)とエル・メンチョの義兄アビガエル・ゴンサレス・バレンシアの二人だった。これがCJNGの発祥である。

 前者はカルテルが蔓延るミチョアカン州の出身で、幼少時の彼は家庭が貧困でアボカドの生産を手伝っていた。90年代から麻薬の密売に従事するようになり、1994年に米国の北カリフォルニアで麻薬の密売で逮捕されて3年間収監されていた。その後、メキシコに戻りハリスコ州の自治体の警官として働いていたが、麻薬との縁を切ることが出来ずミレニオに加わった。後者は犯罪組織ロス・グイニスのリーダーだった。CJNGの立ち上げには後者が資金を提供し、前者がリーダーとなった。それが2010年のことであった。それから僅か7-8年で最大のカルテルに成長したのである。

短期間で驚異的に成長した理由

 短期間に急成長したカギは次のようなことが主因だとされている。

●エル・メンチョが元警官だったということで、CJNGのメンバーは軍隊にいるように規律が守られて統率されているのが特徴だとされている。しかし、敵を陥れるのに狂暴なことで良く知られている。

●シナロア、ベルトゥラン・レイバ、ロス・セタスといったそれまで勢力を張っていたカルテルの勢いが衰え始めていた。因みに、シナロアのリーダー、エル・チャポが最初に逮捕されたのが1991年のことで、その後2001年にも逮捕されている。

●メキシコから米国そしてカナダのバンクーバーまで1万キロに及ぶ太平洋沿岸のベルト地帯の主要都市での麻薬の密売シェアを高めた。それを実現させるために90年代にメキシコと米国の国境都市ティフアナで勢力を張っていたアレリャノ・フェリックスが率いるカルテル・ティフアナの協力を得てメキシコから米国への進出を容易にしたのである。(参照:「Animal Politico」

 CJNGのスタート時の基盤はハリスコ、コリマ、グアナフアトの3つの州であった。当時の直接のライバルはロス・セタスとロス・カバリェロス・テンプラリオスの2つであった。ロス・セタスはリーダーが次々に逮捕されて後退。ロス・カバリェロス・テンプラリオスは、CJNGによって、このカルテルに癒着していた警官を数人殺害され、勢力を削がれることもあった。

 今ではCJNGはメキシコで22の自治州で勢力を張っている。メンバーは5000人余りと推察されている。

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最終更新:2019/12/11(水) 8:54
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