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清原和博は前を向きしっかりと更生をしていると思います/デーブ大久保コラム

2019/12/12(木) 11:00配信

週刊ベースボールONLINE

 判決で執行猶予4年(懲役2年6月)が出た後です。清原和博と飲む機会がありました。最後は2人とも動けないくらいまで飲んだのです。「どうだキヨ、これだけ飲んだ後、覚せい剤をやりたいか?」と聞くと「いや、これだけ飲んだら無理です」と。「じゃあ、毎日これだけの量の酒を4年間続けるのはどうだ」という私の中では本気の言葉をキヨに伝えました。

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 まだ酔っていないときには「もしお前が、もう一度覚せい剤に手を出すときには、死ぬまで(覚せい剤を)やって本当に死んでくれ。そのときはオレも一緒にやって死んでやるから。それくらいの覚悟でオレもいるからな」と言いました。

 私も、前科者です(皆さん知っていますよね)。執行猶予中の行動がどれだけ厳しいか身をもって知っています。これは日本国の“それをしたらダメ”という法律を破ったことで与えられた罰であり、一方で執行猶予期間は、更生をさせてもらえるチャンスでもあるのです。

「今、お前は台風のド真ん中にいる。それが4年も続く。でもそこを耐えないと次がない」と激励しました。彼は必死に更生をしようとしています。でも彼の一番の悩みは周囲の批判なのです。キヨは意外に繊細な男です。何か書かれたりして批判されることをおびえながら、前を向いていこうとしています。

「キヨ、批判ばかりを受け止めるな。そういう人は徳や福を持っていないんだ。自分を信じていこうよ」

 皆さんにお聞きします。今までの人生で、きっちりと日本国の法を守りながら生活していますか? 一度も赤信号を無視したことはないですか? シートベルトはきちんと締めていますか? 男の人は立ち小便をしたことはないですか? 「人が見てないからいいや」ということをしてないですか? 捕まらなければいい、という部分では罪の重さは違いますが、批判している方も同じです。キヨが前を向いていることを見ずに批判ばかりしている人には「徳」や「福」はつかないと思います。

 12月1日、八王子でキヨも登場した野球教室に参加しました。彼の再起を願って……とんでもありません。私は子どもたちのために野球教室に行きました。彼のために子どもたちを使う、という発想はまったくない。通算2122安打、525本塁打を打ったNPBの大打者が、子どもたちにどういうふうに教えるのか、それを見守りながら、サポートをするだけでした。こんな大打者の指導を受けられる機会はめったにないですよ。そこで少しでも子どもたちが打撃についてのヒントをつかんで、将来への夢を現実に変えてくれたら、と思うだけです。

 キヨは、高校1年生からのスター選手として日本の野球界をけん引してきた男です。やはりプロ野球の未来に必要な男ですよ。4年間でしっかり更生し、覚せい剤から立ち直ってほしい。強く願う毎日です。

『週刊ベースボール』2019年12月23日号(12月11日発売)より

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

週刊ベースボール

最終更新:2019/12/12(木) 11:00
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