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ラグビーW杯 「最高の給水係」徳永祥尭の思わず泣ける話

2019/12/12(木) 11:02配信

FRIDAY

「外国人キラー」の資質

キャンプ。「合宿」という意味を超えて「陣営」と訳すべきかもしれない。砦にこもり決闘に備える。

ラグビーW杯 ジャパン「最強の給水係」徳永祥尭の冷静な観察眼

列島をわかせたワールドカップ、ジャパンのキャンプからたまに噂がこぼれた。

たとえば、こんなふうに。

「火曜と木曜。グラウンドから地響きが聞こえるらしい」

報道陣は確かめられない。自由にトレーニングを取材できたのは、おおむね1995年の南アフリカ大会までだ。以後、多くの国が冒頭の15分のみ、写真やムービーの撮影のために公開する。たいがいは寝そべってストレッチングに励む様子。ああ昔が懐かしい。というのは別のお話。

練習の迫力は、だから、ちらちら、漏れ伝わる。その両日にレギュラーと控え組が激しくぶつかり合う練習がよく行われた。

徳永祥尭は、どうやら、主役のひとりである。27歳。おもにフランカー。関西学院大学から東芝ブレイブルーパスへ進んだ。

185cm、100kg。上体が強靭で、トップリーグやスーパーラグビーでは、しばしば「外国人キラー」の資質を発揮してきた。臆せず、当たり負けもせず、ボール奪取や突破の任をまっとうする。

自国開催の晴れの祭典。何万、いや、実況中継を通せば、何百万の視線の注がれるスタジアムの中央、芝の上に姿はない。いや実はある。いかにも精悍な容貌の男が、水のボトルを携え、同僚のもとへ駆け寄っては、ささやく様子を映像はよくとらえた。

先発もベンチも外れた。いわゆる「ノンメンバー」として給水役を担う。この任務、運ぶのはウォーターだけとは限らない。しきりに発せられる「情報」の伝達役でもある。コーチ席の無線の指示を最前線の選手たちに手早く説明しなくてはならない。

10月15日。スコットランド人に泣きべそをかかせた2日後の会見、本人は明かした。

「ウォーターボーイをしているときは熱くなりすぎず、上からの指示をしっかり伝えることが大事。英語は話せないけど、聞くことは結構できるので他の外国人選手にも伝えたりできている。ノンメンバーは全員、(対戦)相手のことを分析してサポートできている」

スポーツをする。だれだって試合には出たい。まして国の代表、選考されて選考されて選考されて生き残り、大舞台にたどり着いた身なのだ。悔しくないはずない。

同じ場でこうも言った。「メンバーを外れたときは、どうしても落ち込む」。正直だ。

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最終更新:2019/12/12(木) 15:30
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