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大学入試「英語民間試験」への批判に改革のキーマンが大反論

2019/12/12(木) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 2020年度(2021年実施)の大学入試では、共通テスト(新センター試験)の英語に民間検定機関によるスピーキングとライティング(英作文)の試験を追加し、数学と国語には記述式問題を導入する予定だった。しかし、この改革に対し、「民間試験は地域格差、経済格差を生む」「バイトに記述式の採点ができるのか」「記述式は自己採点ができないので、出願で迷う」などの批判が多方面から殺到し、まさに“炎上状態”になった。

【写真】入試改革を主導したキーマンが語る

 こうした批判を受け、萩生田光一文科相は英語民間試験の導入を2024年度(2025年実施)まで延期すると発表。記述式問題導入についても、新聞報道によれば、文科省は見送りにする方針を固めたとされている。

 世間ではあまり知られていないが、一連の大学入試改革で理論的支柱の役割を果たしていたのが、東京大と慶應大SFC(湘南藤沢キャンパス)の両大学で教授を務める鈴木寛氏だ。鈴木氏は慶應SFCの助教授だった頃の2001年に参議院議員になり、民主党政権で文科副大臣を二期務めた。2012年の政権交代の後、下野したが、自民党政権でも下村文科相から請われて文科省参与に就任。2015年2月より大臣補佐官を務め、下村氏から馳浩氏、松野博一氏、林芳正氏と文科相が交代しても、鈴木氏はその職にあった。2018年10月からは大学教授などの職務に専念している。

 政権交代をまたいで重職にあり続けたというのは異例に思えるが、その間、大学入試改革を構想し、実現のため指揮を執ってきたのは事実。その鈴木教授に、迷走を続ける大学入試改革、特に英語民間試験導入について質した。

 * * *
──そもそも英語入試に民間試験を導入しようとした理由からお聞きしたい。

鈴木氏:ことの発端は、英語の4技能(読む、書く、聞く、話す)を身につけさせるとした学習指導要領が、20年以上、高校の現場で無視されてきたことにあります。平成11(1999)年の学習指導要領からずっと、英語のコミュニケーション能力を身につけさせることが謳われているにもかかわらず、平成30(2018)年の文科省「英語教育実施状況調査」によると、英語のコミュニケーション(話す)の授業を実施している高校は3割しかない。中学校では8割が実施しているのに、高校になった途端に3割に減る。

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最終更新:2019/12/12(木) 16:00
NEWS ポストセブン

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