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「ハッピーカウ」で世界一になった和食レストラン

2019/12/12(木) 5:00配信

商業界オンライン

 世界中のベジタリアンとヴィーガンの情報が寄せられる「Happy Cow(ハッピーカウ)」という情報サイトを知っているだろうか。今や世界中の人々が旅行を楽しむときに「TripAdviser」をのぞくように、世界中のベジタリアンとヴィーガンが旅行先のヴィーガン事情を知るために、「ハッピーカウ」は重宝されている。

 11月10日、東京・自由が丘の「菜道」というヴィーガンレストランがハッピーカウで、「Best Vegan Restaurants Worldwide」の1位を獲得した。

※ちなみに上位にランクされたヴィーガンレストランがある国と都市は2位ギリシア・アテネ、3位ドイツ・ベルリン、4位スペイン・バルセロナ、5位ベトナム・ホイアン。

 同店を経営するのは、(株)Funfairと(株)交洋により設立された(株)和食社中。「菜道」はグローバルに通用するレストランとして開発され、ヴィーガン、オリエンタル・ベジタリアン(台湾のフードダイバーシティ)、ハラールに対応、グルテンフリー(小麦粉不使用)にも応えられる。

 オリエンタル・ベジタリアンは動物性のものに加えて五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ネギあるいはタマネギ、アサツキ)を摂取しないが、その中で、味を引き立てるためには相当の工夫が必要。

このようなニッチな分野に取り組んでいる「菜道」であるが、いかにして世界一のヴィーガンレストランになったのか、同店で料理監修をする楠本勝三氏の解説に基き、紹介しよう。

東京で「食の禁忌」に関係のないレストランをつくる意味

「菜道」は、世界中の誰もが一緒に食事ができる、食の禁忌に関係のないようなレストランをつくることからスタートした。

 この店が「ハッピーカウ」のランキングに登場するようになったのは今年の6月から。それが少しずつランキングを上げ、第1位になったということは、「ハッピーカウ」で「菜道」を知った外国人が来店して、とても喜んだということだ(インバウンドにとって自由が丘という場所はアクセスが至便とはいえない。ヴィーガンはそれほど目的来店のファクターとなる)。

 楠本氏は「菜道」の料理監修をするようになり、東京のレストラン事情にある危機感を抱くようになったという。「東京は世界の都市の中でミシュランの星を一番持っている美食の都市です。『ハッピーカウ』には『Vegan Friendly Best City』というランキングもあるのですが、最新の2018年版で東京はランク外です。日本でランクインしているのは京都の18位。これは裏を返せば、欧米系のヴィーガンが東京に期待をしていないということ。ヴィーガンは環境問題と比例して増えていきますから、東京のレストランはこうしたトレンドを無視しているとも受け止められかねません」

 実際、ヴィーガンの人たちが書き込むサイトで「東京で何を食べるといいか、何が安全か教えてくれ」という問い掛けがあったが、それに対するある人の回答が「ライス」。「これはある種、東京の現象を嘲笑しているかのようです」と語る楠本氏は、世界一の評価を得た「菜道」を東京のレストランがヴィーガン対応の重要性を感じるきっかけでありたいとしている。

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最終更新:2019/12/12(木) 10:12
商業界オンライン

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