ここから本文です

自分の欲望をカネで解決するのを、恥ずかしいこととしてやらないのが「江戸っ子の品」|弟子だからこそ知っている「談志のことば」

2019/12/12(木) 15:00配信

サライ.jp

たとえばこんな感じだ。

酒に決まってるだろ!
【さけにきまってるだろ!】
談志という人物を表す歴史的名言。
1971(昭和46)年、参議院議員に当選した談志は、政治家としての資質を嘱望され、1975(昭和50)年の年末に、沖縄開発庁(当時の三木武夫内閣)の政務次官に就任した。翌年1月沖縄入りし、翌日の記者会見にはサングラス姿の二日酔いで挑んだ。「酒と公務とどちらが大切ですか?」という記者からの質問に、このように答えた。
この発言をきっかけに自民党を離党し、翌年政界から引退した。就任後わずか36日間だったことを踏まえ「36日間“も”の長い間、政務次官を務めた」と、弟子たちにはネタにした。失言で引退する政治家に接する際、「うちの師匠に比べたら」と……いつも思う。(本書71ページより引用)

記憶に残っている方もいらっしゃるだろう。小学生だった私も当時それを「よくないこと」としか感じなかったが、年齢を重ねてみると、談志らしいエピソードだったのだなぁと感じる。

ものになりそうな奴には怒鳴るほうがいい
【ものになりそうなやつにはどなるほうがいい】
談志がよく言っていた言葉の一つ。「つまり、談志から怒られたということは、自分がものになりそうだからだ」と前向きに考えて、弟子たちは修行に励んだものだった。才能というより我慢比べの様相を呈していた。ものになったかどうかは別にして、忍耐力はつけさせていただいた。(本書163ページより引用)

「前向き思考」「ポジティブ思考」などということばは多いが、これこそまさにポジティブ思考。

落語は江戸っ子の品を語るもんだ
【らくごはえどっこのひんをかたるもんだ】
談志の定義。口は確かに悪かったが、決して品のよくない人ではなかった。「金があればホテルはスイートルーム、飛行機はファーストクラス、新幹線はグリーン車だろうが、それら金で解決できるものと『品』とは別のものだ」と言っていた。自分の欲望をカネで解決しているだけだが、それを恥ずかしいこととしてやらないのが「品」なんだと。そしてそんなカネで解決する奴をバカにして笑うことこそ「落語」なんだと。ついでに「『いい女』とは見た目じゃない」とも言っていた。(本書176ページより引用)

ユーチューブなどでは「品」のない人間をよく見かけるが、談志は彼らに対してどんな感想を抱くだろうか。

* * *

2/3ページ

最終更新:2019/12/12(木) 15:00
サライ.jp

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ