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弘兼憲史「定年までに50代男が心得たいこと」

2019/12/12(木) 6:30配信

東洋経済オンライン

50代からは体力や気力の衰え、収入の減少、親の介護など、さまざまな困難が待ち受けています。
「孤独な老後をどう謳歌する?」「介護問題をどう乗り越える?」「人やモノとの付き合い方は?」――。『課長 島耕作』シリーズで知られる漫画家の弘兼憲史氏が50代になったら考えたい「老いじたく」についてまとめた『俺たちの老いじたく 50代で始めて70代でわかったこと』(20年前の執筆書を適宜加筆して2019年11月に新装復刊)の第3章「定年後、どう家族と関わるか」から一部抜粋してお届けします。

■自己主張しない「いい妻」に表れやすい

 問題はハッキリしている。夫婦の危機は、家の中で大きな赤ん坊にすぎない男に原因がある。無事定年まで勤め上げても、そこで待っているのはキツイ現実だ。

 「主人在宅ストレス症候群」

 夫が家にいるだけで妻が精神的、肉体的にバランスを崩す症状だ。

 この「症候群」は、心身医学の黒川順夫先生が発表したものだが、夫の定年が近づくに従って妻に胃潰瘍、頭痛、軽度のウツ、末梢神経過敏症などが現われる。自己主張しない「いい妻」に症状が表れやすい。

 これでは外の世界で発揮するダンディズムも形なしじゃないか。自分が原因で妻が病気になるのだ。これほどみっともないことはないだろう。恥だと思わなければいけない。

 妻があまり自己主張しないタイプかどうか。そして世間的にいって「いい妻」かどうか。まず自問してほしい。

 そういう妻なら、夫の傍若無人さや無理解を、黙っていたかもしれない。黙っているのは不満がないことだ、そう思っているかもしれないが、妻の不満は外からはわからない。

 家事を顧みないことは、結果的に妻の仕事を評価していないことだ。仕事を評価しないことは、その人間を軽視することだ。そんなことはないと言いたいだろうが、仕事を家事より上に置いているかどうかはすぐわかる。

 家事が会社の仕事と同じように大切なら必ず助けるはずだ。同僚の仕事なら、相手の疲労度や忙しさを見て手伝うだろう。仕事なら手伝うのに、家事でそうしないのは家事を仕事以下のものと思っているからだ。そして妻を下働きぐらいにしか思っていないからだ。

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最終更新:2019/12/12(木) 6:30
東洋経済オンライン

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