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「紅い半導体」の躍進で21年に中国が世界最大の装置市場へ

2019/12/12(木) 15:00配信

日経ビジネス

 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が12月10日、半導体装置の市場予測を発表した。マクロ経済の減速やメモリー半導体の在庫調整などの影響で、2019年は前年比10.5%減の576億4000万ドル(約6兆2200億円)にとどまる見通しだが、20年に608億2000万ドル、21年には667億9000万ドルまで拡大すると見込む。21年はこれまでの過去最高額だった18年(644億2000万ドル)を上回ることになる。

【表】国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が12月10日に発表した、半導体装置の地域別市場予測

 中でも需要が旺盛なのが中国だ。21年には164億4000万ドルとなり、韓国や台湾を抜いて世界最大市場に躍り出る見通しだ。世界市場のざっと4分の1が中国向けとなる計算だ。

 中国は現在は輸入に頼る半導体の自給率を25年に70%まで高める目標を掲げる。習近平指導部が15年にハイテク産業育成策「中国製造2025」を発表したことで、半導体の国産化に向けた取り組みに拍車がかかった。「2000億元(約3兆円)に及ぶ第2期の国家半導体ファンドを新設した中国は、設計から製造、組み立て、検査までを一貫して中国の国内で実行することを目指している」とSEMIのクラーク・ツェン市場調査統計部門ディレクターは指摘する。

 中国製のメモリー半導体の生産動向について、ツェン氏は「当初は消費者向け製品に使う低容量や中容量の品種が中心になる」と予測した。特許権の問題もあって「輸出に回せるほどの製品が出てくるとは考えにくい」(ツェン氏)。まずは国内需要を賄いながら、設計や製造の技術レベルを引き上げていくとみられる。

 それでも資金力を武器に世界から最先端の装置を大量調達していけば、中国はいずれ韓国や台湾を脅かす半導体大国になるかもしれない。「紅い半導体」を作り出す装置の市場で世界最大になる21年は、そんな勢力図変化の起点に位置付けられるようになるだろうか。

竹居 智久

最終更新:2019/12/12(木) 15:00
日経ビジネス

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