ここから本文です

短観は製造業の弱さを示すも景気は緩やかに持ち直しへ

2019/12/13(金) 9:48配信

NRI研究員の時事解説

日本銀行は様子見姿勢を続ける

10月の消費関連指標、鉱工業生産、景気動向指数が大きく下振れしたことで、消費税率引き上げの影響は深刻ではないか、との見方も浮上している。しかし、今回の駆け込み購入は消費税率引き上げ直前の9月に集中的に生じており、四半期ベースで見ると駆け込み購入の動きは前回よりも相当分小さい。その結果、反動減も10月が中心となり、前回よりも短期となるだろう。

他方、来年に入ると、12月5日に政府が閣議決定した事業規模で26兆円の大型経済対策の効果も出てくる。財政健全化の観点からその是非は厳しく問われるべきであるが、総額9.4兆円程度の中央・地方政府が直接支出する部分、いわゆる「真水部分」が、実質GDPは1年間で0.8%押し上げる計算だ(内閣府の経済財政モデル・2018年度版による)。

消費税率引き上げなどの国内要因によって、日本経済が本格的な景気後退局面に陥る可能性が高くなく、他方で年明け後には、海外需要の安定化、経済対策の効果などを受けて、現在弱さが目立つ製造業も含めて、経済全体に緩やかな持ち直し傾向が見られるようになるのではないか。

ところで、為替レートが安定を維持し、今回の短観に示されたように、製造業の弱さが目立つなかでも国内経済全体はなお安定を維持し、さらに米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)が12月の追加金融緩和の見送りを決めて、当面、金融政策を据え置く見通しである現状下で、日本銀行が追加金融緩和を実施する理由はない。

12月18、19日の次回金融政策決定会合では、日本銀行は、政策金利引下げなどの本格的な追加緩和措置の実施を見送る可能性が高い。


木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト)
---
この記事は、NRI金融ITソリューションサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(http://fis.nri.co.jp/ja-JP/knowledge/commentary/category/kiuchi.html)に掲載されたものです。

木内 登英

2/2ページ

最終更新:2019/12/13(金) 9:48
NRI研究員の時事解説

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ