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「スーパー・シルエット」という伝説の魔改造レースマシン、日産のターボ3兄弟に迫る

2019/12/13(金) 11:40配信

Auto Messe Web

スーパー・シルエットは市販ターボ車の権化

 日本のレース界は60年代、世界との戦いの場、日本グランプリに向けて5リッターV8や6リッターV12など、まるで青天井で2座席オープンのレーシングカー(グループ7)の開発競争が続けられてきました。

圧倒的な速さを誇ったポルシェ935【画像】

 70年代に入ると排気ガス対策が急務、との理由からメーカー系のワークスチームが活動を変換、クルマ市場を活性化させるべく、市販車をベースにしたツーリングカーとその発展モデルによるレースが盛んになっていくのです。

 また、市販車に応用できる新技術としてターボチャージャーの開発も推進。70年代後半には「シルエットフォーミュラ」の愛称で呼ばれるグループ5のレースが世界的に隆盛となります。(海外ではBMW M1ターボやポルシェ935ターボ、ランチア・ベータモンテカルロなどが走っていた)

 それらに呼応して国内では「スーパー・シルエット」と呼ばれるグループ5のレースが人気上昇。日産からはスカイライン(DR30系)やシルビア(S12系)、ブルーバード(Y910系)をベースにした“ターボ3兄弟”が登場しました。今年のニスモフェスティバルでもそろい踏みしていた、伝統のマシンを紹介しましょう。

富士のスタンドを未だに揺るがす人気ぶり

“ターボ3兄弟”の長男と言えるのは、82年に登場したスカイラインでしょう。3兄弟と呼んでしまう仲ですが、誕生した順ではシルビア、ブルーバード、そしてスカイラインの順。3つ子と考えれば、最後に出てきた児が長男になるのは当たり前ですが…。

 スーパー・シルエットのスカイラインは「鉄仮面」という厳ついニックネームで知られるマシン、スカイラインDR30系がベースでした。

 パイプで組んだスペースフレームに、ベースモデルのモノコック(のアウタースキン)を張り付けるという構造。ターボで武装した2リッター直4ツインカム16バルブのLZ20Bエンジンをフロントに搭載して後輪を駆動するというパッケージは、シルビアやブルーバード共通のパッケージでシャシーの基本設計も共通です。

 スカイライン・ターボといえば、71年にスカイラインGT-R HTで全日本チャンピオンに輝いた日産のエース、長谷見昌弘選手のドライブで速さを見せつけました。

 この日、久々にサーキットに戻ってきたスカイライン、「最終コーナーを立ち上がってきた時にはスタンドのファンが一斉に立ち上がって大声援を送ってくれているのが、運転していても分かった」と長谷見選手、その人気ぶりはいまだに健在。結果的には富士で4勝(全8勝)を挙げていますが、記録だけでなく記憶にも残ったレーシングマシンと言えるでしょう。

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最終更新:2019/12/13(金) 11:40
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