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“チコちゃん”と共演した 奥田昌子さんが教えてくれた『長寿になる和食道』

2019/12/13(金) 20:00配信

BEST TIMES

■「腹八分目」こそ“食養生”の鍵

 日本の食養生のもうひとつの特徴が「腹八分目」です。薬食同源という言葉をご存じでしょうか。「体によい食材を日常的に食べて、健康でいれば薬は必要ない」という意味で、東洋で広く受け入れられています。けれども、健康に役立つものをどんどん食べればよいかというと、そういうわけではないのです。益軒は『養生訓』で、「体によいといわれるものでも腹八分目にすべきだ」と繰り返し強調しています。

 確かに、どんな食材でも食べ過ぎれば体の負担になり、余分な脂肪が付いてしまいます。個々の食材にだけ目を向けると栄養全体のバランスを見失う恐れもあるでしょう。食事全体、体全体を大きくとらえて、丸ごとバランスを整えることが本当の薬食同源であり、食養生の鍵といえます。

 

■食養生の知恵と教訓を

 現代の日本は世界有数の医療水準を誇り、誰もが必要な医療を受けられる体制が整っています。しかし、医療が充実するにつれて明らかになったのは、健康で長寿を楽しむには、薬を飲んだり、手術を受けたりするだけではまったく不十分だということでした。

 なぜなら、病気のかかりやすさは生活習慣によってかなりの部分が決まるからです。最近行われた大規模な調査から、寿命のうち遺伝によって決まるのは16パーセントしかないことが明らかになっています。残りの84パーセントを生活習慣と環境が決めるとなれば、食生活や心のありようを含む生活習慣を正さない限り、病気を取り除くことは不可能でしょう。

 医学の発展にともなって日本人の平均寿命が一気に伸びたのも、高い健康意識に支えられ、連綿と受け継がれた養生の知恵のおかげと考えられます。今の時代にこそ、歴史に埋もれた健康と食の教訓を見直すことで多くのヒントを得られるのではないか。そんな気持ちから執筆したのが『日本人の病気と食の歴史 ~長寿大国が歩んだ苦難の道』です。

 といっても小難しい話ではありません。日本人の病気と食をめぐる1万年の歴史には日本史のトリビアが満載です。歴史好きな人はもちろん、これまで歴史にあまり触れてこなかった人にも、楽しく、面白く読んでいただけると思います。

文/奥田 昌子

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最終更新:2019/12/16(月) 17:36
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