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英国で国連認定教師が「気候変動教育」、NPOも支援

2019/12/14(土) 7:09配信

オルタナ

英国の小・中・高校で、国連の資格を得た各国の教師による「気候変動教育」が広がっている。この活動に大きく貢献するのが、国連と協働で気候変動教育を推進するNPOだ。コースで取得した知識のアップデートや、学校への気候変動教育の導入・展開など、教師を支援する。国内の学校すべて、さらには世界のどの学校にも、国連認定教師による気候変動教育を定着させる計画だ。(NZニュープリマス=クローディアー真理)

NPO、エデュケート・グローバル(本部・英国ハートフォードシャー州)は、国連主催のプラットフォーム、「UN CC:ラーン」を通し、教師への気候変動教育を進めている。「UN CC:ラーン」は、気候変動を含む環境教育の、一般人向けeラーニングコースで、受講料は無料。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第6条、「教育、訓練及び広報」の推進を目指すものだ。

コースは5つのモジュールに分かれており、個人差はあるが、すべてを履修するのに約25時間かかるという。気候変動を性別の問題や政治、健康など、さまざまな視点から考察を行わなくてはならないため、コースは決して容易とはいえないそうだ。しかし、多様な視点を通すからこそ、気候変動を知るための糸口も見つけやすく、学生に教える方法も多岐にわたる。

小・中・高校の教師は、同コース修了時に用意されている簡単なテストを受け、それに受かると、国連認定の気候変動教師としての資格を得られる。そしてエデュケート・グローバルに登録すると、得た資格を自校の授業で最大限に生かすためのサポートを受けることが可能になる。国連により常にアップデートされた正確で、学校で気候変動を教えるのに有用な情報の提供だけでなく、学校への気候変動教育の導入方法や授業プラン、アクティビティなども網羅されている。

エデュケート・グローバルの支援範囲は世界全体に及ぶが、特に本部がある英国では、認定教師による前向きな取り組みが徐々に目立つようになってきた。教師たちは今まで、政府に気候変動への迅速な対処を求め、「フライデー・フォー・フューチャー」などのストライキを決行したり、気候変動を学校カリキュラムの最優先事項として取り上げるよう署名運動を行ったりする学生を支持してきた。しかし、政府の対応は緩慢だ。そこで、制度改革などを待たずに、自らの手でこの問題を解決しようと、教師は国連認定の資格を得、エデュケート・グローバルの支援を受けながら、自校で気候変動の授業を進めているのだ。

エデュケート・グローバルは、世界中にあるすべての学校において、在任中の教師のうち最低1人は資格を取得し、指導にあたれるよう、コースの普及と支援の拡大を目指す。2020年の目標としては、英国内の学校に、気候変動教育における「システム・リーダー」を配置することを挙げている。システム・リーダーは気候変動教育面で他校との連携を築き、知識を共有する役割を担う。さらに、世界に同コースの存在を知らしめ、展開を図るために英語以外の言語での教育の準備も進める。

認定教師になった教師たちは、同コースで得た情報を学生に伝え、将来役立ててもらえることに意義を感じている。一般的に教員は時間的にも、精神的にも余裕がないという問題があるが、それを押してでも、同コースを学ぶ価値は十分にあると認める。国連の認定を受けていることで、自分の発言力や影響力が高まり、学校内外の人たちに気候変動教育の重要性についてより理解を示してもらえるようになったとする教師もいる。

最終更新:2019/12/14(土) 7:09
オルタナ

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