ここから本文です

出産後に職場復帰、初日5分で納得 「子どもの世話より仕事はずっと簡単」

2019/12/14(土) 8:07配信

NIKKEI STYLE

日本に比べて女性の社会進出が進んでいるといわれる米国。それでも、仕事と家庭の両立は簡単ではない。2人の息子を育てつつ、米資産運用会社PGIMでチーフ・インクルージョン&ダイバーシティ・オフィサーとして働くキャサリン・セイコーさんは「世間が求める母親像に縛られず、母親として何が一番大切かを常に選択することが大切」と話す。

■日中も搾乳 オフィスに付いたブラインド

米金融大手JP モルガン・チェースのセールス部門で働いていた間に、2人の子どもを出産しました。39歳と42歳でした。すでにそれなりのキャリアを重ね、自分で働き方をフレキシブルに決められる立場にありました。広告関連の仕事をしていた夫も、働く時間を自由に決められたので、自宅で、しかも2人で子どもの面倒をみられました。

長男を産んだ際には3カ月程度で職場に復帰し、日中は「ケアテイカー」に世話をお願いしました。母乳で育てたので、日中も職場で搾乳しなくてはいけません。上司に掛け合い、私のオフィスにブラインドをつけてもらいました。出張時は搾乳用の荷物を持ってでかけました。

こんなやり方を理解してくれる人もいれば、そうでない人も。私は責任のある立場でしたので、職場の女性にも男性にも、こういうふうに仕事を続けていくのだと分かってもらいたかったのです。

子育てと仕事を両立する上で、時間のやりくりは大変でした。それ以上に周囲の目が厳しかった。当時の金融業界は男性的で、妊娠した時点で「仕事やる気があるのか?」という目で見られました。こんな懐疑的な視線にどう対処しようか。悩んだ末、私は仕事と家族を分けて考えるのではなく、一体として捉えて、若い社員のロールモデルになろうと意識しました。新米ママでも成功できるということを部下に証明したかったので、大きな重圧はありましたが。

幸いにも、会社がワークライフバランスを重視する方向に進む過渡期で、男女問わず子育てを推奨することが長期的にはメリットがあると考え始めていたのです。しばらくして、会社には授乳・搾乳室が整備されました。

日本では家事や育児に外部サービスを利用することに対し、いい顔をしない人もいるようです。私の場合、それはありませんでしたが、子どもが成長する過程の特別な瞬間に立ち会えない寂しさは感じていました。ただそれは仕事とトレードオフの関係であり、諦めなければいけません。そんな寂しさの一方で、新しい発見もありました。長男を出産して職場に戻った初日のわずか5分で「子どもの世話をするより仕事の方がずっと簡単」と気づきました。共感する女性もいると思います。育児はそれほど大変なのです。

1/2ページ

最終更新:2019/12/14(土) 8:07
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事