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なぜ安倍首相は「憲法を改正する必要は全くない!」と僕に語ったのか田原総一朗氏 × 望月衣塑子氏が斬る!

2019/12/14(土) 7:00配信

BEST TIMES

「桜を見る会」疑惑が次々と浮上し、安倍内閣に厳しい目が向けられている。11月に憲政史上最長在任の首相となった安倍晋三氏という存在が、「安倍一強」と呼ばれた強引な政権の瓦解が、今、始まったのだろうか……。ジャーナリスト・田原総一朗氏と『「安倍晋三」大研究』の著者で東京新聞記者・望月衣塑子氏の二人が、安倍政権の行方を徹底討論する! (第3回)

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●「憲法改正をする必要は、全くない」と安倍さんは小声で言った

田原・・・ここにきて、安倍さんが憲法改正のボルテージを上げた。

望月・・・安倍首相は、憲法を改正する必要はないと言っていますよね。「安保法制ができたから、(憲法改正は)もういいんだ」と、きっぱり言い切っています。

田原・・・2016年7月に参議院選で自公が3分の2議席を取った。衆議院は先だって行われた衆院選で、憲法改正に必要な3分の2を取っていた。僕は安倍さんに「いよいよ憲法改正だね」と言ったんだ。そしたら安倍さんは小声になって、『憲法改正する必要は全くありません』と。「なぜ?」と聞き返したら、「集団的自衛権の行使ができるようになったからです」と明言した。アメリカが、とにかくうるさくて、このままでは日米関係を維持できない。それで集団的自衛権の行使を決めたら、アメリカは満足して何も言わなくなったそうだ。だから憲法改正する必要はない、という理屈になるわけだ。
 2016年9月に聞いた話だけれど、その翌年「憲法を改正する」と言った。 
もっと言うと、集団的自衛権の行使をやるべきだと言ったのは元駐タイ大使の岡崎久彦氏。ちなみに祖父・岡崎邦輔氏も政治家で、近代外交の礎を築いた陸奥宗光とは従兄弟の関係にあるという。

望月・・・岡崎さんと言えば、(2001年)頃、タカ派の貴公子として注目を浴びていた安倍さんに、目を付けたとされていますよね。『「安倍晋三」大研究』(KKベストセラーズ)の漫画「安倍晋三物語」の中で紹介したのですが、岡崎さんと、安全保障研究者の佐世昌盛氏が、安倍さんに集団的自衛権について“教育”をしたと。

田原・・・その通り、事実です。岡崎さんは、安倍さんに集団的自衛権の問題を片付けさせようと考えていた。本当は、小泉純一郎にやらせたかったようだが、小泉元首相は反対したようだ。

 安倍さんを始めとする政治家を教育するための教科書が、佐世昌盛氏の1973年の書籍『集団的自衛権』。実は佐世氏は、安倍さんが成蹊大学を入学する時に面接官を務めた人物で、当時は大学の助教授だった。

 

 その後の2004年、安倍さんは岡崎久彦氏と共著で『この国を守る決意』(扶桑社)を発刊。岡崎さんが本の中で「集団的自衛権はチャンスだ。自衛隊は戦争に参加出来るようになる」と話せば、て安倍さんも負けじと、「軍事同盟は血の同盟であって、日本人も血を流さねばアメリカと対等な関係になれない」と語っている。
               (『「安倍晋三」大研究』 漫画p115より)


田原・・・アメリカは、極東問題として日本を守る責任があった。安保条約で、日本が攻められたらアメリカが守ることになっているが、アメリカが攻められても日本は何もしない。
 しかし冷戦が終わって、アメリカは極東を守る責任が無くなった。そうすると、日米同盟を持続しようと思えば片務的条約となる。それで日本は慌てて集団的自衛権を成立させなければならなかったわけだ。岡崎さんは、「これで憲法改正の必要はない」と言ったそうだ。

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最終更新:2019/12/16(月) 18:39
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