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不動産投資のプロが「頭金なしのフルローン」をすすめないワケ

2019/12/14(土) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

老後への不安が増すなか、資産形成の手段として、会社員の間でも不動産投資が検討されています。不動産会社によっては「フルローン」をすすめてくるケースもありますが、果たして安全なのでしょうか。本記事では不動産会社で資産コンサルタントとして活躍する髙木弘美氏に、不動産投資における「フルローン」の安全性について解説いただきます。

フルローンの「リスク」と「デメリット」

不動産投資を始める際、「頭金をどの程度用意すれば良いのか」と気にしている人も多いのではないでしょうか。不動産投資を呼びかける広告やセミナーなどでは、「頭金0円のフルローン」「10万円程度」といった事例も紹介しています。その言葉にひかれて「できることならフルローンかそれに近い状態で始めたい」と思われる人も少なくないでしょう。

しかしフルローンで不動産投資を始める場合にはさまざまなリスクやデメリットがあります。もちろんフルローン投資を否定するわけではありませんが、注意点は事前に必ず押さえるようにしてください。

頭金なしのフルローンは、空室が発生しキャッシュフローが悪化した場合、返済額が大きいため、ローンの返済が滞るリスクが増大します。同時に次の投資が難しくなることもデメリットの一つです。

また不動産投資では、所得税の計算において会計上の所得と実際のお金の出入りが一致しません。なぜなら「所得=収入-必要経費」と計算されますが、借入金の返済は必要経費に含まれないからです(利息の支払いは必要経費として認められます)。

一方、減価償却費(建物や設備の購入費用を購入年度ではなく耐用年数の期間をかけて徐々に経費として償却すること)は、実際はお金が出ていかないのに償却期間が終わるまで必要経費として認められます。

借入金が多いと月々の返済額は大きくなりがちです。そのため手元に残るお金(キャッシュフロー)は少なくなります。しかし所得は返済額が多くても少なくても変わらないので、所得税の負担が重くなってしまう可能性があるのです。返済負担が重いなか、空室発生で家賃収入が一時的にでも途絶えてしまうとローンの返済で家計を圧迫することも考えられます。また購入物件を増やして投資を拡大させようと思っても、借入金が大きいと金融機関の審査の評価が低くなり、新規のローンが思うように組めない可能性もあるのです。

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最終更新:2019/12/14(土) 12:00
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