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フランクフルトモーターショー、ツヴィッカウ工場、EVカーシェアの街ベルリンへ潜入──電気自動車は、世界を塗り替える?

2019/12/15(日) 9:11配信

GQ JAPAN

9月に開かれたフランクフルトモーターショーの主役は、 「Volkswagen ID.3」と「Honda e」の、2台の“量産”電気自動車だった。なかでもいち早く電動化へ舵を切るフォルクスワーゲンにスポットを当て、攻撃的にEVを仕掛ける彼らの“本気”をリポートする。

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ビートル→ゴルフ→→そして時代はID.3へ!

ベルリンの壁崩壊が1989年。アンゲラ・メルケルが、ドイツ初の女性首相に就任したのが2005年。そして、ドイツがまた、それにならぶ大きな節目を迎えようとしている。それはクルマ社会の、大規模な電動化チェンジである。

規模の縮小で、「あぁ寂しい」との声が多かった今年のフランクフルトモーターショー、ではあったのだが、ひときわ輝いていたモデルが2台あった。フォルクスワーゲン ID.3とホンダeである。とくにID.3は、すでに欧州で先行予約受注が3万台を突破しているそうだ。コンセプトカーも多く溢れるモーターショーであるが、実際に“買える”量産型のモデルは、これを買ったらどんなライフスタイルが待っているんだろう、と想像できて、僕はよりわくわくする。ID.3なら、思いっきりの遠出には向かないが、都内を音を立てず、静かに、ジェントルに、いいパパな感じで家族を迎えに行くのはなかなかいい気分だろうな、と思った。

2021年に名門のツヴィッカウ工場は完全に電気自動車の生産工場になる

イギリスとフランスでは、2040年にガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止される。ゆえに、2019年のこのタイミングから、“攻撃的に”EV化をしかけていかねばならない。そこでフォルクスワーゲンは、戦略を大きく変えている。主力の電動化である。まずはボリュームゾーンである3万ユーロ以下のID.3から。そして、2028年までにピュアEVを2200万台生産すると宣言している。ただ、彼らは単純に電気自動車の製造販売会社になろうとしているわけではない。CO2ニュートラルな、環境に優しい会社へと進化する。ID.3は、(1)ゴルフとほぼ同じボディサイズなのにより室内が広い(2)床下バッテリーで重心が低くFun To Driveがある、という魅力があるのだが、最大の魅力は、(3)環境を一切汚さないクルマ、という点にあるのかもしれない。

また、フランクフルトモーターショーの後、自動車産業発祥の地として発展してきたザクセン州にある「ツヴィッカウ工場」を見学する機会を得た。工場ではすでにID.3の生産が始まっており、2020年には、ゴルフとID.3の生産が半々、そして、2021年には、100%電気自動車専門工場になるという。あと1年とちょっと先の話である。114年の歴史を誇る工場であるが、内燃機関に別れを告げるのだ。CO2排出も極力抑えながら……。

今回、フランクフルトモーターショーと、ツヴィッカウ工場を取材して、空冷ポルシェの音を愛する自分は、やや叩きのめされた気分にもなった。ドイツの車メーカー、とくにフォルクスワーゲンはEV化へ本気だ。

文・森口徳昭(GQ)

最終更新:2019/12/15(日) 9:11
GQ JAPAN

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