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入社8年、ITベンチャー勤務30歳の強烈な後悔

2019/12/15(日) 8:00配信

東洋経済オンライン

 「あのときもう少し慎重に選んでおけばよかったです」

 8年ほど前に有名私立大学を卒業後、とあるITベンチャー企業のA社に新卒で入社した鈴木保さん(仮名、30歳男性)が深いため息とともに消え入るような声でそう語ってくれました。

■「あの社長の下で働いてみたい」

 鈴木さんはもともと「安定しているから」という理由で公務員を強く志望していたそうです。ただ、先々を考えて、いちおう一般企業も知ってから決定したいと思い、A社でインターンをすることにしました。初めて会社という組織の一員となり、世の中には有名企業や大企業でなくとも、しっかりとした企業はたくさんあるということに気が付いたそうです。

 A社にインターン生として勤めていたときは、新しい経験の連続で充実した日々を送っていました。社員数も10人程度で、当時、大学生だった鈴木さんにも気さくに接してくれ、そして何よりも仕事の楽しさを熱心に教えてくれたそうです。頻繁に行われる社内の飲み会にも何度か参加した鈴木さんは、そこでじっくりと社長の考えを聞く機会ができたそうです。

 「社長の熱意がすごくて、魅力的でした」

 鈴木さんは振り返ります。

 「俺たちが次の時代をリードしていくんだ」

 社長はいつも10年先、20年先の日本を、そしてグローバルな世界を熱く語っていたそうです。鈴木さんはそんな熱く語る社長にいつしか尊敬の念を抱くようになっていきました。

 社長が最も熱心に取り入れていたのがいわゆる“理念経営”でした。社長自身の生き方そのものを会社の理念とし、社員に対し、日々熱く語ることでその思いを浸透させてきました。毎日の朝礼でも欠かさず理念を語り、そして終業後の23時頃から始まる飲み会では始発電車が動き出すまで飲み明かし、社長の夢や会社の未来について、そして社長が目指す新しい世界を社員1人ひとりに語りかけていたそうです。

 「せっかくのご縁だからうちで働いてみない?」

 ある日、役員の1人からそう誘われた鈴木さんは悩むことなく、二つ返事で入社を決意したそうです。なぜなら鈴木さんの就活における優先順位が、A社へのインターンをきっかけに「安定」から「やりがい」に変化していたからです。

■“やりがい”は永久エンジンになるのか? 

 学生時代や自身の若いころの経験に絶対的な自信を持っている社長の口癖です。ですから、社長は昔から目標を達成するためには非常にストイックになることができ、とことん自分を追い込むタイプでした。

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最終更新:2019/12/15(日) 8:00
東洋経済オンライン

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