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10度手術の最多賞右腕がアマの故障防止に提言 「プロはストレッチに時間をかける」

2019/12/16(月) 11:33配信

THE ANSWER

ベストコーチングアワード2019授賞式に元ヤクルト館山氏らが出演

 12月15日、子どもたちの障害防止に取り組む小学生・中学生チームの野球指導者を表彰する『ベストコーチングアワード2019』(一般社団法人スポーツメディカルコンプライアンス協会主催)が開催された。受賞者は全国からエントリーされたチームから厳正な審査のうえ選出。最優秀チーム、優秀チームなど計41のチームとその指導者が受賞した。

 授賞式には2019シーズンで現役を引退したプロ野球、元東京ヤクルトスワローズの館山昌平、元横浜DeNAベイスターズ中後悠平、そして現東京ヤクルトスワローズ投手の近藤一樹など、現役・OBプロ野球選手、関係者が出演。授与式に先立ち、子どもたちのケガを防ぐ野球指導をテーマに、出演者たちがパネルディスカッションを行った。

 学生時代を含め10回の手術を経験した館山は、「自分の場合(ケガの原因は)学童野球ではなく、自身の限界に挑戦し、より速いボールを投げるための投球を考えすぎた結果。小中学生のケガとは一線を引いてほしい」と前置きしたうえで、「あまり知られていないが、プロ野球選手はストレッチに非常に時間をかけている。自分もプロに入り、先輩選手たちを見て、現役生活を長く続けるにはそれも大事だと感じた。子どもたちにもやってほしいと思う」と、体をケアする意識の重要性を語った。

 近藤はひじを4回手術しているが「実は学童時代に離断性骨軟骨炎を発症していたが、気づかずにずっとプレーを続けていたのが原因。早くから(ケガの)知識があれば、4回も手術をせずに済んだかもしれない。(指導者の皆さんには)ひじや体に関してしっかり知って欲しい」と訴えた。

中後は日本と海外の環境の違いを説明「米国では指導者よりも選手の立場が上」

 また、メジャー、マイナーリーグでプレー経験のある中後は日本と海外の環境の違いを問われ、「アメリカでは指導者よりも選手のほうが立場が上であり、コーチは選手を支える立場であるという意識がある。コーチが上から目線でものを言う環境では、“(痛みがあり)試合で投げられない”と言うと怒られる、と思うかもしれない。子どもと指導者の間に、野球を楽しく、しっかりできるコミュニケーションがあればケガにも気づけるのかなと思う」と話した。

 当日は、慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三形外科部長によるスポーツ障害についての講演も実施。古島氏は野球障害に精通し、この日の出演者でもある館山氏をはじめ数多くのプロ・アマ野球選手の手術を担当。甲子園常連校のケガ人の多くが小中学生時代に痛みを発症していることに触れ、「指導者はチームを勝たせたい、子どもたちをうまくしてあげたいという気持ちがあると思う。しかし、どうやってケガをさせずに練習をさせるかを考えるのが、これからの時代にふさわしい指導のあり方。アマチュア野球は人材育成の場。子どもの体の特徴を知り、プレイヤーズファースト、スポーツパーソンシップを指導に生かしていくことが大事だ」と語った。

 この日の授与式には最優秀賞チーム13チーム、優秀チーム8チームの指導者・選手が出席。ゲスト出演者から賞状、トロフィーなどが直接手渡された。

THE ANSWER編集部

最終更新:2019/12/16(月) 11:39
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