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かぜに抗生物質や抗認知症薬他、日本は世界的に時代遅れの面

2019/12/18(水) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 超高齢化社会をむかえる日本では、健康志向が高まっている。病原菌はマスクで完全防御。家に帰ったらうがいをして、歯磨きは厳選したお気に入りの歯磨き剤でしっかり行う。サプリメントを欠かさずのみ、水素水のペットボトルを持ち歩く…。しかし、これらの行為、すべて自己満足の「気休め」だったとしたら…?

 医師が処方する薬や、ほどこす治療にも最新の知見や世界の常識に照らし合わせるとほとんど意味がないものも存在する。

◆抗認知症薬

 高齢化とともに罹患者が増える認知症。65才以上の5.1%、85才以上の17%に認知症治療薬が処方されているが、実はほとんどの場合、効果は期待できない。実際、フランスでは2018年6月に「効果不充分」という理由で保険適用外となっている。

◆かぜに抗生物質

 かぜをひいた時に処方される抗生物質も、世界の医療では時代遅れになっている。

 医療経済ジャーナリストで『絶対に受けたくない無駄な医療』などの著書がある室井一辰さんが解説する。

「かぜはウイルス感染によって起きるもので、細菌を殺す抗生物質を投与しても意味がない。それどころか、耐性菌の出現の危険もある。日本だけの傾向で“とりあえず薬を出す”医療の典型です」

◆降圧剤

 70代以上になると女性の方が男性よりも多く服用している高血圧の薬も多くの場合「気休め」であるという。薬学博士の生田哲さんはこう言う。

「200mmHg以上と非常に血圧が高い状態であれば死亡リスクの低下につながりますが、中程度の高血圧ならば死亡率は変わらないのにもかかわらず、血圧の数値だけを見て処方されているのです」

◆抗コレステロール薬

 60才以上の女性の4人に1人以上がのむという抗コレステロール薬でも同様の構造がある。

「コレステロール値を下げるためにスタチンという薬がよく使われますが、さまざまな調査によって死亡率の低下につながるといえないことが明らかになっているうえ、横紋筋融解症などといった、重い副作用が起きることもあるのです」(生田さん)

◆腰痛・関節痛治療

 多くの人が悩む腰痛や関節痛治療にも“気休め”があった。腰痛には手術や薬などさまざまな治療法があるが、実は腰痛の8割は原因不明だとされる。

「だから手術をしても痛いまま、という場合も少なくない。人工関節も同様で、術後必ずよくなるという保証もない。加えて、変形性膝関節症の治療において、インソールと呼ばれる中敷きを履いて治す方法もあるが、これはアメリカの学会が行った臨床研究によって効果がないことが明らかになっています」(室井さん)

 一生懸命、健康対策をしても“気休め”では意味がない。きちんとした情報のもと、選びたい。

最終更新:2019/12/18(水) 16:00
NEWS ポストセブン

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