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【RIDERS CLUB 500号記念コラムvol.6】 レーサーレプリカとは一線を画した個性派 【KEN’S TALK 特別編】

2019/12/19(木) 10:04配信

FUNQ

ビッグバイクが高性能化とレーシーな路線へとひた走る少し前、パフォーマンスだけではない個性をアピールしたビッグバイクが衝撃的なデビューを果たしました。1980年9月のケルンショーにスズキが展示したGSX1100S KATANAは、ドイツのハンス・ムート率いるターゲットデザインによるデザイン・スタディ作品だろうと思わせたのですが、驚くことに翌年からほぼそのままに生産・販売が始まったのです。特徴的なシート・デザインはもとよりカウルから燃料タンクまで、それまでビッグバイクはトラディショナルなスタイルであることが義務づけられている?かのようだった常識を、ことごとく覆していました。スズキに取材したときも、デザイナーの要求を如何に崩さず妥協しないで製品化するか、そこを最優先したという、それまでの性能追究がすべてだった日本メーカーからは考えられないような言葉ばかり飛び出していました。バイクの価値は性能だけじゃない、夢を追うことだというフィロソフィーには感動した覚えがあります。
実はスズキがビッグバイク参入で4ストローク・エンジン化した、日本メーカーでは最後の存在でした。GS750/1000と後発でも性能・信頼性でも優れた機種を世に出していましたが、レースなどで性能的に追いつき追い越したとしても、肩を並べただけではない、メーカーとしてのオリジナリティを欲していたのは間違いありません。KATANAはまさにその思いを具現化する好機と捉えたからこそ、妥協をしない徹底ぶりを貫き、日本のバイク史上に残る名車が生まれたのです。

このKATANAシリーズにはデザインコンセプトを共有したGS650Gもあって、中型機種らしいコンパクトさで乗り味を含め好感度でした。ただ1100ccのKATANAは、国内では750ccまでという当時の自主規制でそのままでは販売できず、排気量をサイズダウンしたGSX750S KATANAとして登場したのですが、何と規制のためにオリジナルの低いセパレート・ハンドルが許されず、大きく長く上に持ち上げられたアップハンドル装着という個性を台無しにするカタチでした。当然オーナーはこの耕耘機のようなハンドルが許せず、輸出用KATANAの部品でオリジナル・デザインへ改造?する人が多く、そこに目をつけた取り締まりもありました。いわゆるカタナ狩りと呼ばれた懐かしい逸話もあって、憶えていらっしゃる方も少なくないと思います。

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最終更新:2019/12/19(木) 10:04
FUNQ

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