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鳥居真道の徹底考察、官能性を再定義したデヴィッド・T・ウォーカーのセンシュアルなギター

2019/12/20(金) 18:00配信

Rolling Stone Japan

ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 - パンツの中の蟻を探して」。クルアンビン、ジェイムス・ブラウン、細野晴臣、ヴルフペック、Jingoの楽曲考察に続き、第6回となる今回はマーヴィン・ゲイの「You Sure Love To Ball」を徹底考察する。

官能性を再定義したデヴィッド・T・ウォーカー

当連載のタイトルは「モヤモヤリズム考 - パンツの中の蟻を探して」なわけですが、今回は趣向を少々変えて「モヤモヤギター考」と題し、我々の下半身をモヤモヤさせて止まないデヴィッド・T・ウォーカーのギターを取り上げたいと思います。曲はマーヴィン・ゲイの「You Sure Love To Ball」。

早いもので師走ですね。「お前さん、そんなのチェックしてるの?」と思われるのもやや癪ですが、去る12月2日に発表された「新語・流行語大賞2019」について触れたいと思います。トップテンからは外れましたが、ノミニーのひとつに例の「ポエム/セクシー発言」がありました。小泉進次郎環境相が国連気候行動サミットに関連する共同記者会見で「気候変動問題に取り組むことはクール、セクシーでなくちゃね」と発言したこと。そして、何かそれらしいといえばそれらしいのだが、具体性の欠片もない一連の発言が「ポエム」だと揶揄されたことを受けたものです。

むせてしまいそうなほどの作品の色気

以前、Netflixの人気番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』を観ていたら、依頼人のアメリカ人夫婦がこんまりこと近藤麻理恵による片付け指南を通じ、「片付けって意外にセクシーだね」なんて言って考えを改めていたので「アメリカじゃセクシーって言葉をそんな使い方するのかぁ。へぇ」と思った次第ですが、今回「You Sure Love To Ball」を形容するときの「セクシー」という言葉はあくまで本来の意味合いでの「セクシー」であって、小泉進次郎的な「セクシー」ではありません。色っぽい、艶やか、センシュアル、ホットというような意味だと考えていただけたらと思います。

「You Sure Love To Ball」はギター云々の前に、作品そのものから、むせてしまいそうなほどの色気が放たれています。アレンジ、演奏、歌唱すべてにおいてセクシーでないところが一切ないといって過言ではありません。極め付きは女性の甘い吐息にトラックを一つ用意しているところ。中学生の頃、ガンズ・アンド・ローゼスの「アペタイト・フォー・ディストラクション」をかけていたら、ラストの「Rocket Queen」で女性のうめき声が聴こえてきたので、びっくりして咄嗟にステレオのボリュームを絞った経験がありますが、「You Sure Love To Ball」の場合は曲自体がセンシュアルなので吐息が聴こえてきてもあまり突飛に感じません。非常に馴染んでいるためスルーしてしまうこともあるかと思います。

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最終更新:2019/12/20(金) 18:00
Rolling Stone Japan

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