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大手電機メーカートップが仏門へ…「定年後出家」を続出させる“仏教の魅力”

2019/12/25(水) 11:54配信

PHP Online 衆知

「定年を迎えたら、どうしようか」と悩む人は多い。しかも、現役時代に身を粉にして働いている人ほど、定年後に無気力になってしまう傾向にある。キャリアの選択肢はできるだけたくさん持っておきたい。

そこで、自身も企業に勤めていた経歴をもつ“ジャーナリスト僧侶”の鵜飼秀徳氏が、元サラリーマンであり現在開眼寺の住職である柴田文啓さんと、古代インド仏教に詳しい花園大学の佐々木閑教授に取材。ビジネスパーソンと出家の思わぬ接点と、「第二の人生」を設計するうえで欠かせない視点について解説する

※本稿は、『ビジネスに活かす教養としての仏教』 (PHP研究所)の内容を一部抜粋、編集を加えたものです。

ファッション感覚で出家する者も

出家とは、一般的には在家の人間が、僧侶になるべく、仏門に入ることをいいます。

たとえば、日本には「出家し、僧侶の資格を得た者」(文化庁『宗教年鑑 平成29年度版』記載の仏教系宗教団体に所属する教師資格取得者の総数)が、およそ34 万人いるとされています。

しかし、このほとんどがお釈迦さまのように人生の苦を知り、そこから解き放たれたいと願って遁世したわけではないはずです。お釈迦さまの時代の出家と、現代日本における出家の形態は、まるで異なっているのです。

日本の寺は、世襲による継承が当たり前になっています。寺に生まれた子弟は宗門大学などに入学し、一定期間の修行をこなすことで僧侶の資格を得て、寺を世襲していくのが通例です。

かくいう私も大学時代に、3期にわたって浄土宗の定める僧侶養成講座に通い、22歳の時に浄土宗僧侶としての戒を授かる「加行」を満じて、正式に僧侶の資格を得ています。

古代インド仏教に詳しい花園大学の佐々木閑教授は、「出家」について、こう解説します。

「本来、出家とは世俗では手に入れることのできない特別なものを求めて、自分の家族など一切を捨てて世俗を離れることです。お釈迦さまの時代における出家の動機は様々。お釈迦さまのように『この世は一切皆苦だ』と認識した上で『その苦しみから逃れたい』『生きがいを求めたい』という志を持って出家するケースもあれば、出家そのものに憧れを抱き、『出家ってカッコいいね』とファッション感覚で出家する者も多く存在しました。出家の時点では年齢や資質は問われませんでした。殺人者だって、お釈迦さまや仏教サンガ(出家修行者の組織)は受け入れました。日本のお寺の子弟の“出家“の形態とは、まるで違います」

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最終更新:2019/12/25(水) 12:41
PHP Online 衆知

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