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睡眠薬、知っておきたい市販薬と処方薬の違い|薬を使わない薬剤師 宇多川久美子のお薬講座

2019/12/26(木) 6:05配信

サライ.jp

処方薬「睡眠薬・睡眠導入剤」は中枢神経に作用する

眠れない人が増えています。とりあえず市販薬で何とかならないかとドラッグストアへ出かける人も多いでしょう。眠れる薬の広告は昔からよく見られます。「睡眠薬」という言葉には今でもちょっと抵抗感を感じる人が多いようですが、市販薬ならその抵抗感が薄まります。また市販薬なら副作用の心配もないだろう、という気持ちもあると思います。

病院で処方される「眠れるお薬」と市販薬の違いについて説明します。

処方される薬は「睡眠薬・睡眠導入剤」です。一方、ドラッグストアで買える市販薬は「睡眠改善薬」と言います。名前はよく似ているのですが、この2つは作用機序がまったく異なる薬です。作用が違えば副作用も異なります。両者の区別はとても大切です。

まず睡眠薬・睡眠導入剤は、慢性的な不眠症状、つまり不眠症の患者さんに処方される薬で、「向精神薬」に分類されます。向精神薬とは、中枢神経に作用して精神機能(心の動き)に影響を及ぼす薬の総称で、睡眠薬のほか、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬などがあります。中枢神経に働きかけるのですから、それなりに強い作用と副作用があります。

睡眠導入剤といっても「軽い」わけではない

次に、睡眠薬と睡眠導入剤の区別ですが、効き目の持続時間の違いです。不眠症の処方薬は、「作用する時間の長さ」で次の4つに分類されます。

1 超短時間作用型(寝つきが悪い)3~4時間程度
2 短時間作用型(寝てもすぐ目が覚めてしまう)5~6時間程度
3 中間作用型(夜中に目が覚めてしまう)12~24時間程度
4 長時間作用型(早朝に目が覚めて眠れない)24時間以上

1の「超短時間作用型」が睡眠導入剤です。作用時間は3~4時間ですが、薬効成分の血液濃度が最高に達するのは、その半分の時間、1時間半~2時間(これを半減期といいます)。就寝前に飲めば、ちょうど半減期に、効き目のピークに寝つけるというわけです。

寝つけさえすれば大丈夫、問題ないという人には、この睡眠導入剤が処方されます。眠れないと悩む人にいちばん多いのが寝つきの悪さです。「最近ちょっと寝つきが悪くて」とかかりつけ医に訴える患者さんに処方されるのも、たいがい睡眠導入剤です。不眠症の専門でなければ、「睡眠導入剤なら軽いから副作用も軽い」と思っている医師も実際少なくありません。

しかし、睡眠導入剤も中枢神経に作用を及ぼす向精神薬のひとつ。脳内の神経伝達物質をコントロールすることで眠くする薬です。決して飲みつづけてもいい薬ではありません。

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最終更新:2019/12/26(木) 6:05
サライ.jp

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