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高所の気象と医学の知識で高山病対策を! キリマンジャロ登山~実践編

2019/12/28(土) 11:40配信

YAMAKEI ONLINE(ヤマケイオンライン)

準備編ではアフリカ大陸の最高峰キリマンジャロ(5895m)の雪についてお伝えしましたが、3回目はいよいよキリマンジャロ登頂の成否を分ける高山病対策についてお話ししたいと思います。

【画像】アフリカゾウやバッファローが草を喰む先にアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロがそびえる

なお、この対策は、日本でも富士山などの高山に登る時には非常に有効と思いますので参考にしていただければと思います。

登山においては総合力が求められます。単なる気象情報だけでなく、それが人体にどんな影響を与え、どんなリスクが発生するのかという医学情報も、救助がすぐには来ない登山の世界では遭難事故を防ぐためにある程度知っておくべき大切な知識と思います。

高い山に登るとなぜ高山病になるのか?

そもそも高山病とはどのようなものなのでしょうか。日本でも富士山などの高い山に登ると多くの人が頭痛、吐き気、めまいなどの症状が出ます。これが高山病です。

高山病のかかりやすさには個人差があり、さらに体調によっても大きく左右されます。富士山では問題なく過ごせる人でも、無防備の状態でキリマンジャロ登山やヒマラヤトレッキングなどに臨んで標高4000mを超えると、ほぼ例外なく高山病の症状が出ます。

標高が高くなるほど気圧が低くなって、空気の中に含まれる酸素の量(酸素濃度)が減るため、人体が低酸素の状態になることによって高山病は発症します。重症化すると脳浮腫や肺水腫になって死に至ることがあるので、キリマンジャロ登山では高山病対策は万全にしておく必要があります。

ところで、キリマンジャロの酸素濃度は、平地に対してどのぐらい違うのでしょうか。酸素濃度は気圧に比例しますので、気圧が低ければ、その分だけ酸素濃度も減ります。つまり平地では1気圧=1013hPa、富士山頂の気圧は約650hPaですので、酸素濃度は平地の約2/3になります。

標高5895mのキリマンジャロでは約500hPaですので、平地のちょうど半分の酸素濃度になります。なお、世界最高峰のエベレストに至っては、酸素濃度は平地の約1/3です。それを酸素ボンベ無しで登ることができるのは本当に限られた「超人」のみです。

なお、日本付近でキリマンジャロ標高の500hPとなると、年間平均気温は-22℃ぐらいですが、ほぼ赤道直下にあるキリマンジャロでは、前々回の導入編で書きましたように-5℃ぐらいです。天気が良ければ頂上でも昼間はプラスの気温になることがあり、赤道付近の山の特徴として風も弱めです。また、『1000m登るごとに気温が約6℃下がる』ことも基礎知識として覚えておかれると良いと思います。

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最終更新:2019/12/28(土) 11:40
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