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又吉直樹さんセレクト。年末年始に女性に勧めたい本

2019/12/28(土) 20:12配信

ESSE-online

年末年始の休暇はじっくり読書をしたいもの。大の読書好きである又吉直樹さんとESSE本誌の連載陣のみなさんに、おすすめの本を教えてもらいました。

又吉直樹さんの読書論。「共感できる」を求める風潮に疑問

又吉さんがおすすめする年末年始に読みたい本3選

「小説は物語と文体が合致したとき、ものすごい力を発揮するので読んでいておもしろい」
そう語ってくれた又吉さんがおすすめする3冊はこちら。

●『真鶴』 川上弘美/著 文春文庫刊

主人公の女性が抱える家族や恋愛の悩みを巡る繊細な物語を、繊細な文体で描いた小説。ストーリーはもちろん、川上さんにしか書けない独特の文体を味わえます。すごく好きな作家さんです。

●『おまじない』 西 加奈子/著 筑摩書房刊

女性が主人公の短編集で、それぞれが抱える問題を救ってくれる『言葉』との出会いを描いています。西さんの書く小説って、優しいんです。窮地に立たされても、必ずそこには出口や救済がある。読んでいると勇気づけられますね。

●『蚊がいる』 穂村 弘/著 角川文庫刊

穂村さんは歌人なんです。歌人は、31文字の制限のなかで世界の一端を切り取ることに長けているせいか、このエッセイもとにかく視点が卓越しています。日常の細かな部分を顕微鏡でのぞき込んだかのような視点は、どれも笑えるし、日々の新たなおもしろみに気づかせてくれます。

ESSE本誌の連載陣のおすすめ本

●『神様からひと言』 荻原 浩/著 光文社文庫刊

推薦/山本ゆりさん

大手広告代理店を辞め、食品会社のリストラ要員収容所とされる「お客さま相談室」に異動させられた主人公の笑いあり、ドタバタありの心温まる小説です。登場人物みんなひと癖ふた癖ある愛すべきキャラクター。荻原さんの作品はコメディ映画をそのまま本に書き起こしているんちゃうかと思うほど、情景、仕草がはっきり頭に浮かんですごく読みやすい。疲れているときはこの読後感がうれしい。スッキリしたいとき、ちょっと笑いたいときにおすすめの一冊です。

●『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ/著 新潮社刊

推薦/瀧波ユカリさん

イギリスが舞台のノンフィクションエッセイ。さまざまなルーツ、事情をもつ人々が暮らす社会で、子どもも大人も常におしくらまんじゅうのようにもまれている状態。もし日本もこうなったら…となん度も想像し、かすかにゾッとしてしまいます。しかし、そこにある格差や差異と向き合い、小さな工夫や努力を積み重ねてコミュニケーションを取り続ける人々には勇気づけられます。舞台が中学校なので、子どもの進路についても考えさせられる一冊です。

●『あしたも、こはるびより。』 つばた英子・つばたしゅういち/著 主婦と生活社刊

推薦/ツレヅレハナコさん

83歳と86歳のつばた夫妻を追った歳時記。おふたりが住む平屋の脇には「キッチンガーデン」という畑があり、日々の料理に使う野菜や果物を育てています。1年をとおしたおふたりの生活に、「すてきだわ~」とため息をつくポイントの多いこと! 季節ごとの食材を使った食卓は本当に豊かで、「この家の孫になりたい!」と思わずにいられません。「しゅうたん」「英子さん」と呼び合い、いつまでも互いを尊重し合う様子は憧れ必至です。

●『小説 天気の子』 新海 誠/著 角川文庫刊

推薦/田房永子さん

運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を選択するストーリーで、映画も大ヒット。娘から映画の『天気の子』を観に連れてってとせがまれ渋々約束。観に行く当日、猛烈に落ち込む出来事があったため、頭が真っ白な状態で観始めました。ところが、スルスルと心に入ってきて…。観終わったときには晴れ晴れしていて、新しい自分になろう! と思いました。世界観に引き込まれ、小説も読了。年末年始は映画とともにどっぷりとひたりたいです。

●『大人の流儀』シリーズ 伊集院 静/著 講談社刊

推薦/橋本 直さん(銀シャリ)

このシリーズは現在までに9冊出ていて、すべて読ませていただいています。この本の感触としては間違っているのかもしれませんが、読んでいるとなぜか癒やされるのです。どんなに時代が移り行き変わろうとも、どっしりとした強い、骨太な昭和の香りがすごく充満しているのです。その香りがとても心地よく、39歳という年齢になってもまったく成熟した大人になりきれてない僕に本当の大人のエッセンスを注入していただいている気がします。

●『宇宙創成 上・下』 サイモン・シン/著 青木 薫/翻訳 新潮文庫刊

推薦/鰻 和弘さん(銀シャリ)

新年を迎えるに当たって、かなり初心に戻しまして、あらためて宇宙の成り立ちから考えてみてはいかがでしょうか。この本は機械もない時代の人々が、どのようにして宇宙のことを考えたか、今の考えに至るのかがわかります。しかし1回読んだ僕の内容理解度は20%ぐらい。すごい計算式が出てきます。でもそこはなんとなく読み、結論だけ理解します。昔の人がすごい知恵で月までの距離や大きさを測ったか。アインシュタインのすごさ、この驚き必読です。

<写真/岡戸雅樹 取材・文/ESSE編集部>

●『真鶴』 川上弘美/著 文春文庫刊
●『おまじない』 西 加奈子/著 筑摩書房刊
●『蚊がいる』 穂村 弘/著 角川文庫刊
●『神様からひと言』 荻原 浩/著 光文社文庫刊
●『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ/著 新潮社刊
●『あしたも、こはるびより。』 つばた英子・つばたしゅういち/著 主婦と生活社刊
●『小説 天気の子』 新海 誠/著 角川文庫刊
●『大人の流儀』シリーズ 伊集院 静/著 講談社刊
●『宇宙創成 上・下』 サイモン・シン/著 青木 薫/翻訳 新潮文庫刊

最終更新:2019/12/28(土) 20:12
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