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黒モノ家電は「趣味性の高さ」がますます重要! 家電コンシェルジュ・麻倉怜士が選んだ新作家電ベスト5

2019/12/31(火) 6:01配信

Pen Online

映画を観るのに最適な、シネスコサイズの長いスマホ

「エクスペリア5」は「エクスペリア1」のデフュージョン(普及版)だが、私がみるところ、操作性はエクスペリア1より良い。エクスペリア1の優秀機能がほとんどそのままで(画面の画素数が4Kから2Kに減少したが、このサイズなので実用性には問題ない)、使い勝手が格段に向上した。

エクスペリア5は「映画スマホ」だ。現代映画のほとんどが21:9のシネスコサイズだから、エクスペリア5も21:9なのだ。重要なキーワードが映画制作者の「ディレクターズ・インテンション」。グレーディング(色づくり)モニターとして世界的に神様的な存在のソニー「BVM-X300」(30インチ・有機EL)とほぼ同じ画調が、エクスペリア5の「クリエイターモード」で見ることができる。つまり映像制作者の意図が分かる、稀有なスマホなのだ。

さらなる映画的な文脈が、動画撮影にてソニーのプロフェッショナルカメラのテクニックを活かしたこと。それが「Cinema Pro」という動画撮影アプリだ。ここでも担当のカメラ技術者が開発に協力し、ソニーが誇るデジタル・シネマ撮影カメラVENICE(ベニス)の画調を、出来る限り忠実に移植した。「Cinema Pro」のVENICE CSルックモードで撮影すると、グラデーションが豊富で、しっとりとした映画的映像が得られる。

一般撮影アプリの画質も素晴らしい。肌色が非常にナチュラルで、階調感が豊か。コントラストや鮮鋭感の強調がなく、色のグラデーションの情報が多い。思わず微笑んでしまうような、アナログ的な味わいだ。HDRの効きも上々。強烈な日差しの青空であっても、青の色が飛ばずに残っている。浮いている雲のシャドー感が的確なので、立体的な雲が撮れる。ここにもソニーのシネマモニター、カメラと同様に、ソニーのデジタル・カメラのノウハウが数多く入っていることは想像に難くない。

頭の周りに「ライブ空間」を頂く、次世代の音響とは。

オーディオの新分野が「肩」だ。昨年から、この新分野がにわかに活気を帯び、すでに数多くが参入している、シャープの「AN-SX7」は後発にあたるが、実は歳月を掛けて試作を繰り返し完成させた逸品だ。特に音質には徹底的にこだわった。私は、いま市場で買える各社の肩乗せ式スピーカーをすべて聴いているが、この音は抜群に良い。

なにより音のバランスが整っている。この手のスピーカーは、周波数的に低音や高音を過剰に強調することが多いが、AN-SX7は特定の帯域に偏重することなく、聴感上、フラット的な音調だ。音に人工的な加工色が感じられず、進行がナチュラルで、音の質感もよい。、明瞭度も高い。意外といっては失礼だが、ウエラブル系に良くありがちなギミック的な音を想像すると、それとはまったく違う正統的な音に驚かれるだろう。

開発にはオーディオ技術者が正規業務とは別で、独自に取り組み、6年もかかった。発音方式もバスレフ(ダクトを設けて低音補強)、パッシブラジエーター(共振)、骨伝導、蛇腹振動……と、さまざまなやり方を試し、最終的に蛇腹振動が最良と分かった。この時、同時に円筒状のウエイトを使った振動機構も加えた。蛇腹が伸縮するとウエイトを揺らして振動を発生させる仕組みだ。名付けて「ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM」。

POPナンバーでは、バスドラムとエレクトリックベースからたたき出される低音リズムの振動が鎖骨に伝わり、心地よい。

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最終更新:2019/12/31(火) 6:01
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