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ネイルも原因、若い女性に増加…爪が徐々にはがれる「爪甲剥離症」とは

1/6(月) 6:10配信

オトナンサー

 女性の指先を美しく彩るネイルアート。近年は、爪に塗ったジェル状の液体にUV(紫外線)ライトを照射して硬化させる「ジェルネイル」が「つやがあってきれい」「長持ちする」と人気です。しかし、マニキュアやジェルネイルの長期間の塗布、専用除光液の使用を繰り返すことで爪がダメージを受け、トラブルが起きるケースもあります。爪の先端が徐々にはがれていき、白い部分が大きくなる「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」が若い女性の間で増えているようです。

【写真】爪甲剥離症と見られる女性の爪

 ネット上では「久しぶりにネイルを落としたら爪が白くなっていて驚いた」「隠すために、さらにマニキュアを塗って悪化した」などの体験談や、「痛みはあるの?」「治せるのかな」といった疑問の声も上がっています。爪甲剥離症について、アヴェニュー表参道クリニックの佐藤卓士医師(皮膚科・形成外科)に聞きました。

隠すためのマニキュアで悪化も…

Q.爪甲剥離症とは、どのような病気でしょうか。

佐藤さん「爪甲(爪のうち表面に出ている部分)が先端の方で爪床部(爪の下の皮膚)から浮き上がり、白く見えるようになる状態を爪甲剥離症といいます。通常、かゆみや痛みは伴いません。原因はさまざまで、主に次の通りです。

(1)全身性疾患に伴うもの(甲状腺機能低下症や貧血など)
(2)皮膚病の症状の一つとして現れるもの=強皮症、乾癬(かんせん)、掌蹠多汗症(しょうせきたかんしょう)など
(3)物理的・機械的刺激によるもの(マニキュアや洗剤、外傷・爪に強い力がかかるなど)
(4)感染症(カンジダ症など)
(5)湿疹やかぶれなど

爪が浮き上がっている状態が見られれば診断はつきますが、原因を特定することは簡単ではなく、原因がはっきりとは分からない特発性のケースも多いので、治療が難しいこともあります。痛みやかゆみがないため、日常生活への影響はさほどありません。発症する人は増加している印象です」

Q.自宅で「セルフネイル」をする人と、サロンなどで施術を受ける人とでは、爪甲剥離症の発症に関して何らかの違いはありますか。

佐藤さん「違いや差の有無は、データがないので分かりません。医学的根拠がない私見ではありますが、自己流でやる人よりもサロンの施術者の方が知識も経験も多いので、発症を起こしにくいコツなどを知っていたり、発症時の対処法を知っていたり、皮膚科受診を積極的にすすめたりすることで、発症や症状の悪化を防ぐことができるのではないかと思います」

Q.爪甲剥離症は爪の見た目が悪くなることから、「隠す」ためにさらにマニキュアを塗り続けてしまう女性も少なくないようです。

佐藤さん「マニキュアが原因の場合、塗り続けても治ることはなく、むしろさらに悪化する可能性があります。爪甲剥離症の原因が取り除かれれば治癒しますが、マニキュアの影響で治らない可能性も出てくるので、刺激となるようなことはなるべく避けた方が望ましいです」

Q.爪甲剥離症は爪が白くなることから、「爪水虫」と勘違いするケースもあるようです。

佐藤さん「爪水虫は、カビの一種である白癬(はくせん)菌による感染症です。一方、爪甲剥離症は感染症ではなく、人にうつることはありません。爪水虫(爪白癬)は爪の内部に菌が繁殖し、爪が白濁したり変形したりします。見た目では分かりにくく診断がつきにくいため、爪白癬が疑われる場合は爪の一部を取って、顕微鏡検査で菌がいるか検査して診断します」

Q.爪甲剥離症の治療法とは。

佐藤さん「原因が分かってそれを取り除くことができれば、特に治療しなくても完治します。完治しても再び原因にさらされれば、当然再発する可能性があります。爪は根元から新しく生えてくるので、剥離した部分や変形した部分が押し出されて元の爪の状態に戻ります。新たにできた爪が先端まで伸びるのに数カ月かかるので、治癒期間も数カ月かかることになります。

原因がはっきりしない場合や、かぶれや湿疹が原因と考えられる場合はステロイド薬を塗ります。薬が反応すると数カ月で症状は落ち着きますが、なかなか治癒しないこともあります。治療中に爪が浮いていたり、伸びてきたりしたら、適度に爪を切って整えるようにします」

Q.指先のおしゃれを楽しむために、ネイルサロンに継続して通っている女性は多いですが、一方で爪のトラブルに悩む人も少なくないようです。日頃のネイルケアについてアドバイスをお願いします。

佐藤さん「日頃から、爪をよく観察することが大事です。少しでも異変があったら、刺激となる行為を避けながら様子を見て、悪化するようなら皮膚科を受診してください。指先のおしゃれとしてネイルをすることは、人生を楽しく過ごす上でよいことだと思いますが、何らかの刺激が爪に余計な負担を掛けている可能性もあります。負担が度を越すと爪はいつか悲鳴を上げます。その悲鳴をすぐに感じ取り、負担をなくして休ませてあげることが大事だと思います」

オトナンサー編集部

最終更新:1/6(月) 9:46
オトナンサー

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