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青学は「人間と戦術」で優勝した。3月の立川から1月の箱根への激変。

1/7(火) 20:01配信

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 2019年3月10日、日曜日。

 曇り空の、肌寒い日。

 この日、東京・立川にある昭和記念公園で日本学生ハーフマラソン選手権、通称「立川ハーフ」が行われた。ユニバーシアードの選考も兼ねており、ロードシーズンの総決算ともいうべき大会である。

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 いま思えば、立川ハーフの結果は箱根駅伝2020の結果を予見していた。上位5人の結果は、次の通りだった。

 1位 相澤晃(東洋大) 1時間01分45秒
2位 中村大聖(駒澤大)  1時間01分51秒
3位 伊藤達彦(東京国際大)1時間01分52秒
4位 土方英和(國學院大) 1時間02分02秒
5位 浦野雄平(國學院大) 1時間02分14秒

 相澤はすでに昨年の箱根駅伝で学生界では抜きんでた存在であることを示していたが、東京国際大の伊藤のアグレッシブな走りは大いなる飛躍を予感させ、4位に土方、5位に浦野が入った國學院大は、箱根駅伝2020の有力プレーヤーにのし上がってくることは予見できた。

目立った帝京、そして青学は……。

 その他で特筆すべきことは、上位20位までに帝京大の選手が実に7人も入っていたことだ。この質の高さは、中野孝行監督の丹念な指導によるものだ。しかも、監督の手腕が確かなことは、この7人全員が箱根駅伝に出走し、山下りの特殊区間を除き、6人が区間ひとケタ順位で走っていることでも証明されている。

 そしてもうひとつ印象的だったことがあった。

 青山学院大が、弱かった。

原監督「これじゃ、戦えないよね」

 立川ハーフといえば、青学大の選手たちが上位にズラッと並ぶのが「恒例」だった。ところが、この日のトップは吉田祐也の18位で、上位争いに絡める選手は皆無だった。

 私が軽い気持ちで原晋監督のところへ挨拶に行くと、その場はたちまち重苦しい雰囲気に包まれた。

 「これじゃ、戦えないよね。特に4年生になる世代に危機感がなくて。自分たちがどれだけ恵まれた環境で競技に取り組めているのか、それを理解して欲しいんだけど……。少し厳しく接して、自覚を促そうと思います」

 どんな結果になろうと、前向きに総括する原監督としては、とても珍しいことだった。

 事実、この後に新4年生数人が部を去る。テレビの情報番組を見ていると、戦える集団にするために原監督が大鉈を振るった……という論調に聞こえなくもないが、関係者によれば、原監督本人はかなりショックを受けていたという。

 外からでは分からない、監督のナイーブな一面に触れた気がした。

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最終更新:1/7(火) 20:16
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