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プエルトリコで相次ぐ地震、知事が非常事態を宣言、なぜ頻発?

1/9(木) 18:55配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

7日未明にはM6.4が発生し少なくとも1名死亡

 1月7日未明、カリブ海に浮かぶ米自治領プエルトリコで、マグニチュード(M)6.4の地震が発生した。プエルトリコでは1週間以上前から地震が頻発していたが、今回の地震はそのなかで最も規模が大きく、今後も余震が続くと予想される。

ギャラリー:プエルトリコ、ハリケーンが残した傷痕 写真5点

 プエルトリコの南西沖では、6日にもM5.8の地震が発生したばかりだ。2019年12月28日以降、一帯ではM2以上の地震が400回以上も起きている。米地質調査所(USGS)によれば、多くの地震は比較的震源が浅く、住民たちはおそらく数十回の地震を感知しているという。

 2017年にハリケーン「イルマ」と「マリア」の直撃を受けたプエルトリコは復興の途上にあるが、6日と7日の大地震は地域社会に壊滅的な被害をもたらし、多くの住宅が損壊したほか、一部地域が停電し、数カ所で地滑りが起きた。観光名所だった岩のアーチ「プンタ・ベンターナ」も崩壊した。少なくとも1人の死亡が確認され、知事が非常事態を宣言した。

 米国大学間地震学研究連合(IRIS)の地震地質学者ウェンディー・ボーハン氏は「プエルトリコの人々は多くの困難に直面しています」と語る。「建物は壊れ、当然ながら、人々は恐れています。今も地震が続いているためです。彼らは来る日も来る日も地震を感じています」

 しかも、余震が続く可能性は高く、研究者たちは今後の予想を立てるため、最近起きた地震の調査を進めている。

「ごく狭い範囲で、複雑な地殻の活動がいくつも起きています」とボーハン氏は話す。

板挟みのプエルトリコ

 プエルトリコは古くから地震に見舞われてきた。プエルトリコは北米プレートと接するカリブプレートの端に位置する。世界の地震の大部分はこうしたプレートの境界で起きている。

「プエルトリコの島全体が活発なプレート境界にあたります。米カリフォルニア州と同様、どこで地震が起きてもおかしくない場所です」と、USGSのスーザン・ハフ氏はメール取材でコメントしている。ただし、プエルトリコの地質構造はもっと複雑だ。

 プエルトリコの北岸沖にはプエルトリコ海溝が東西に走り、北米プレートがカリブプレートの下に北側から沈み込む「沈み込み帯」となっている。また、プエルトリコ南岸沖にはムエルトストラフがあって、USGSによれば、カリブプレートの一部が南側から沈み込んでいるように見える箇所がある。つまり、プエルトリコは南北から押しつぶされているような状態だという。その結果、地震が多発するのだ。

 プエルトリコ大学マヤグエス校プエルトリコ地震ネットワーク(PRSN)のエリザベス・バナコア氏は、プエルトリコでは特に群発地震が多いと説明する。群発地震とは、ほぼ同じ規模の地震が断続的に発生する地震活動だ。ただし、理由は解明されていないと、バナコア氏は言い添えている。

 一部の群発地震は、揺れの方向と地層に加わる力については、特定の法則に従っているように見える。2013年のある研究では、プエルトリコ北で起きた複数の群発地震が、カリブプレートに沈み込む北米プレートが裂けた結果だと示唆している。しかし、原因はおそらく1つではない。

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