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医療事故の原因は?8割もの医師が「過労・多忙」と答えた…

1/9(木) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本記事では、医療法人南労会紀和病院理事長・佐藤雅司氏が、時間に追われる働き方一辺倒に陥っている医師たちの現状を俯瞰し、問題の解決策を提案します。今回は、医師の「過労・多忙」と医療事故の因果関係等について取り上げます。※本連載は『地方勤務医という選択』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、改編したものです。

医師の勤務時間が「医療の安全性」と密接につながる

医療において最も重視されるのは安全です。医療事故は絶対にあってはならない出来事であり、発生を避けるために医療の現場では、慎重のうえに慎重を重ねて治療が行われています。もちろん医師だけではありません。看護師等スタッフ全員が事故のリスクを抑えるため、日々懸命の努力を重ねています。

にもかかわらず、医療事故は発生します。日本医療安全調査機構が行った調査によると、「病院内の調査が必要な患者の予期せぬ死亡」は1日1件程度の頻度で報告されているといいます。死亡に至らないケースや報告されないケースも考えられるので、国内では1日に何十件となく医療事故が発生していることになります。

疾病の見落としや薬剤の取り違え・含量の誤認など、医療現場で起こり得るミスは無限に考えられます。通常はチェックする仕組みが何重にも設けてあるため、医師がミスをしてもヒヤリ・ハットですみますが、中にはチェックにかからず大きな事故につながるケースもあります。

特に、医師が心身ともに疲弊した状態で、多くの患者を診療しなければならない病院では、そういった事故が起こりがちです。アメリカでは医師の勤務時間が医療の安全性と密接につながるという調査報告が複数発表されています。勤務時間が長い医師や労働環境が厳しい医師ほど、重大な医療事故を引き起こす割合や誤診の割合が多いことが、研究によって判明しているのです。

国内においても、日本外科医学会が外科の医師を対象に行ったアンケート調査において、「医療事故は何が原因と考えるか(複数回答可)」という問いに対し、最も多かった答えは「過労・多忙」(81.3%)でした。現場で働く医師も、自身が感じている忙しさや疲労が事故を招きかねないものであると強く危惧しているのです。

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最終更新:1/9(木) 12:00
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