ここから本文です

「がん専門医」腫瘍内科の名医が語る「抗がん剤はなぜ必要か」

1/9(木) 8:01配信

現代ビジネス

今、知っておくべき腫瘍内科医という存在

 今季スタートのドラマは、医療をテーマにした作品が多い。その中でも、注目したいのが、1月9日、今夜10時からフジテレビでスタートする『アライブ がん専門医のカルテ』だ。

【写真】松下奈緒、木村佳乃…豪華女優が演じる「がん専門医」

 今まで、医療モノドラマといえば、ゴッドハンドと呼ばれる外科医が花形だった。難しい手術を見事にこなし、患者を救うという展開だ。しかし、実際の医療現場で、活躍するのは外科医ばかりではない。特にがん治療では、「腫瘍内科医」と呼ばれる医師の存在が非常に大きいのだ。しかし、残念ながら彼らの存在は、一般的に広く知られていない。そんな今まで日の目を浴びてこなかった腫瘍内科医をヒロインに展開するのが、このドラマだ。

 しかも、正しいがん情報の見極め方など、がん治療の最前線で、医療者からも患者からも信頼される日本医科大学付属武蔵小杉病院腫瘍内科の勝俣範之医師が企画協力医を担当し、現役の腫瘍内科医をはじめ多くの医師、看護師が監修を務めるという。

 2人に1人ががんに罹患すると言われる時代。これはドラマを通して、知っておくべきがんの基本的な情報を得ることができるのではないか!?  ということで、乳がんサバイバーで本誌でもがんに関する記事を多数執筆している美容ジャーナリストの山崎多賀子さんが、勝俣範之医師に、腫瘍内科医とはなにか、からはじまり、ドラマの中で疑問に思ったがんのあれこれを毎週ぶつけてみることにした。

 これを読めば、ドラマへの理解が広がり、さらに、がんの正しい知識もきっと深まるはずだ! 

----------
勝俣範之医師
国立がん研究センターに20年勤務した後、日本医科大学武蔵小杉病院に腫瘍内科を開設。抗がん剤治療の第一人者であり、緩和療法に精通。誤解されがちながん情報をわかりやすく解説する。
----------

がん患者の全身治療と全身管理を行う腫瘍内科医

 『アライブ がん専門医のカルテ』で、松下奈緒演じる主人公、恩田心は「オンコロ先生」と呼ばれている。それは、単に名前を短くしただけでなく、腫瘍内科医が“オンコロジスト”と言うわれることとひっかけている。オンコロジーとは、腫瘍学のことで、がんや肉腫など腫瘍の治療、研究する専門家だ。

 乳がん罹患者の私は、手術後に抗がん剤などを経験した。私自身もそうだったが、多くのがん経験者にとって、腫瘍内科医は、頼れる大きな存在だ。ただ、自分や家族ががんに罹患した経験がないと、がんの内科ってなに? と、その存在すら知らない人も多いだろう。

 「腫瘍内科をひとことで説明するならば、“がんを総合的に扱う内科”です。がん治療では、手術をするのは外科医で、腫瘍内科医は抗がん剤(化学療法)などの薬物を投与する医師というふうにとらえる人も多いです。でも本当は、抗がん剤を扱うことだけではなく、一人一人の患者さんの体質やQOL(生活の質)全体をみながら、“その方に最も適した治療をコーディネートする”という役割りの方が大きいですね」(勝俣医師)

 ドラマや映画などを見ていると、がんと告知→手術を行い→窮地を救い退院、と描かれることがある。が、手術だけで治せるものは一部の早期がん、ということをご存知だろうか。実際には、手術、放射線治療、薬物療法(これに最近は緩和ケアが加わる)があり、これはがんの三大治療(標準治療)と呼ばれている。

 がん治療はこれらの組み合わせか、または単独で行われる。そのうち手術、放射線は「局所療法」といって腫瘍とその周辺部位をターゲットに治療をする。一方の抗がん剤をはじめとした薬物療法は、薬を体内へ投与することによって血液から全身に巡らせ、がんをたたく「全身療法」にあたる。今回のドラマの主人公や勝俣医師の腫瘍内科医はこの全身療法のスペシャリストといえるのだ。

1/4ページ

最終更新:1/12(日) 17:20
現代ビジネス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ