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キャッシュレス時代の奇祭「仮想通貨奉納祭」!主催者が語る「祝祭」のアップデート

1/10(金) 20:02配信

FINDERS

東京・中野新橋にある川島商店街で2019年11月9日、10日に、メディアアーティスト市原えつこ氏によるプロジェクト「仮想通貨奉納祭」が行われた。ビットコインが奉納されるとインタラクティブに反応する「サーバー神輿」や、発酵デザイナーの小倉ヒラク氏協力の「奇酒のバイオ奉納」、アニマトロニクス研究者の中台久和巨氏のリアルな天狗面を使った「天狗ロボット」などが登場する、現代的な解釈でアップデートされた“祭り”となっており、クラウドファンディングサービスの「READYFOR」で支援を募り、約140万円を集め、さらにはデジタルハリウッド大学大学院の協賛も得たことで開催が叶った。

研究者、アーティストたちの協賛を得て、まちの商店街に異界が出現。開催後、「サーバー神輿」は「科学と芸術の丘」で展示されるなど話題を呼び、1月11日からは東京・初台のICCでも展示が行われる。

このデジタル奇祭はどのようにして生まれたのか。今回は作品制作だけでなくオーガナイザーとして主催・運営側の立場で尽力した市原氏と、メインの作品となる「サーバー神輿」の開発・実装を担当したテクニカルディレクターの渡井大己氏に話を聞いた。

「死」を扱った反動で、「生」のエネルギーが強烈に魅力的に見えた

――市原さんが「仮想通貨奉納祭」を行うことになった経緯を聞かせてください。2016年2月にあったフランスの写真家シャルル・フレジェの展覧会「YOKAINOSHIMA」を見たことが祭りに関心を持ったきっかけだそうですね。

市原:2015年に発表した「デジタルシャーマン・プロジェクト」で、人の死についての作品を作っている時期があり、実際に自分の祖母が喪中だったこともあって、その時に「死」や「葬い」についてよく考えていたんです。その後に反動として、人間の生きるエネルギーが強烈に魅力的に見えた時期がありました。2016年に会社を辞めてフリーランスになった頃です。

「デジタルシャーマン・プロジェクト」でも作品にお面を使っていたのですが、シャルル・フレジェの作品にもお面を付けた妖怪が登場します。その妖怪たちのお面には人間の世界と異世界をつなぐ役目があったり、人を人ではないものにする作用があることに面白みを感じました。秩序立った社会の中で、私たちはなぜかこういった意味の分からない畏怖を感じるものや少し狂気じみたものに惹かれてしまう。つまり今の私たちに必要なものなのではないか思い、その気付きを最初に反映した作品が「都市のナマハゲ」です。

それで一旦、祭りへの熱が落ち着いたと思いきや、もっと意味の分からないことをしたくなってきてしまいました。この時はテクノロジー企業と協業させていただいたため、トンマナとしてはある程度テクノロジーを押し出した表現に無意識に寄せていた節もあったんです。

また「都市のナマハゲ」は映像作品としてアウトプットしたので、次は実際に東京で奇祭を行うことに関心がありました。フェイクニュースや虚構新聞のようになったら面白いと思って。とはいえ資金は手弁当だったので、具体的な制作は止まったままでした。そろそろ今年は作家として新作を発表しないとマズいと必要に駆られたこともあって、腰を据えて奇祭に取り組もうと覚悟を決めました。「仮想通貨奉納祭」は、私の中で2016年くらいから続いている祭りブームの集大成になります。

今回の祭りでは色々と副次的に作品が生まれていますが、その中でも仮想通貨着金の儀式に使う神輿がメインの作品で、渡井さんが設計・開発・実装を担当しています。

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最終更新:1/10(金) 20:02
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