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介護職が足りない!:十分なサービスの確保に不安も

1/10(金) 15:03配信

nippon.com

結城 康博

重労働の割には低賃金といったマイナスイメージが定着している介護職。離職率が高く、ケアの現場は慢性的な人手不足に陥っている。事態の改善に向けて、どのような手を打つべきなのか。

今後の高齢化で加速する介護職不足

日本は世界に類を見ない超高齢化社会に直面している。厚生労働省の資料によれば、公的介護保険を利用できる要介護(要支援)認定者は年々増え続け、2017年度で約633万人となっている。65歳以上の被保険者は約3575万人いるので、高齢者の約18%が何らかの介護サービスを必要としていることになる。

しかも、日本の人口構成を年齢別でみた場合、70歳代前半(1947年~49年生まれ)の層が最も多い。35年にはこうした「団塊世代」が85歳となる。75歳~79歳全体に占める要介護者の割合は約14%であるが、85歳~89歳となると約50%にまで高まるため、15年後の日本社会は非常に多くの要介護者の対応に追われることになる。

とかく社会保障問題となると、サービス拡充のための財源論が焦点となる。無論、介護保険サービスも公共サービスであるから、「負担と給付」といった財源論は大きな焦点となる。しかし仮に一定の財源が確保されたとしても、必ずしも全ての要介護者が介護サービスを受けられるとは限らない。なぜなら、サービスを提供する介護職が圧倒的に足りなくなるからだ。厚労省の試算によれば、16年度は約190万人の介護職が現場で働いているが、このままの推移で高齢化が進めば25年度末までに約55万人の新たな介護職が必要との推計がなされている。しかし、あと5年でこれだけ大量の介護職を確保することは、超少子化に突入している日本社会においてかなり難しいと言えるだろう。

18年度の全国における介護職の有効求人倍率は3.95倍と、全産業の1.46倍をはるかに超えている。ただし1.46倍も高い数値であり、併せて失業率も2.4%と1993年以降最も低い値となっている。これは90年前後の日本経済が最も好調だったバブル期と同様の雇用情勢で、つまり日本社会全体が人手不足に陥っているのである。こうした中で、介護職不足は加速するに違いない。

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最終更新:1/10(金) 15:03
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