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ガンダムをアニメから本物に 未来拓く熱血デザイナー

1/11(土) 17:12配信

NIKKEI STYLE

フェラーリやマセラティなど世界的な高級スポーツカーを手がけてきた工業デザイナー、奥山清行さんが「機動戦士ガンダム」(通称=ファーストガンダム)の放映40周年を記念したプラモデル「HG1/144ガンダムG40」をデザインした。ガンダムの大ファンだったという奥山さんが取り組んだのが「アニメとガンプラの間の矛盾の解消」。高さ18メートルの戦闘用ロボットを実際に動かすにあたり、必要となる構造やフォルムを工業デザイナーの視点から総点検し、一切の妥協なくデザインしたという。ガンダムをアニメから本物のロボットに変身させる挑戦だ。
今回のプロジェクトに込めた思いやアニメやデザインが持つ魅力や可能性などについてインタビューした。

■「機動戦士ガンダム」見たのは武蔵美2年、ロボット兵器に衝撃

――「機動戦士ガンダム」の放映が始まった1979年は武蔵野美術大2年だったそうですね。
「僕はリアルタイムで熱狂的な『機動戦士ガンダム』ファンだったんです。ちょうど受験が終わり、山形から上京して一人暮らしを始めた時期でしたから、大好きでテレビ放送をよく見ていました。戦闘とか、生と死とか、裏切りとか、恋愛とか、ストーリー自体が大人向けの人間的なドラマで内容が深かったし、なによりもリアルなロボット兵器がアニメとして登場したことに大きな衝撃を受けた。それまでのアニメにはあまりなかったことなので……」
――どんな経緯でガンプラをデザインすることになったのですか。
「バンダイスピリッツ(東京・港)さんから、『機動戦士ガンダム』放映40周年を記念したガンプラを発売するのでデザインしてほしいという依頼いただいたんです。僕はずっとガンダムのファンだったし、いつかはガンプラをデザインしてみたいと思っていたので『ついに夢がかなった』と喜んでいました」
――アニメとガンプラとの間にあった矛盾とはどんなものですか。
「『機動戦士ガンダム』はガンプラが登場する前に制作されたアニメ。つまり、プラモデルにすることを想定せずに描かれたアニメなんです。だから胴体のねじれとか、腕や腰、足など体の各部分が、厳密に言うと、ロボットとして実際にはありえない動きをする。その点がガンプラ制作を前提に描かれた『機動戦士Zガンダム』(1985年から放映)などとは根本的に異なっている。そこで僕は『機動戦士ガンダム』のオリジナルの姿をできるだけ変えずに、工業デザイナーとしてガンプラとアニメとの間の動きの矛盾やギャップを整理し直し、デザインの力で埋めてゆきたいと考えたんです」
■ファーストガンダムの姿を尊重、スカートからパンツに戻す
――どうやって矛盾を解消したのですか。
「分かりやすく言うと、ファーストガンダムのアニメと同様、ガンプラにもスカートではなく、パンツをはかせて動かすことにしました。ガンプラでおなじみのあの装甲が割れるスカートのような腰回りの構造は、ガンプラが進化する過程で足や腰の可動域を広げるために生まれたもの。だからファーストガンダムではパンツだったのに、『機動戦士Zガンダム』など次の世代のガンプラではスカートに変化していった。それはそれで悪くないのですが、一方でファーストガンダムのオリジナルの姿からはかけ離れてしまうというジレンマも抱えることになった」
「スカートのようなギミックを使わず、パンツのままでロボットの体を動かすには様々な工夫が必要です。そこで股関節が回転可動でブロックごと下に移動するような球体関節を付けたり、大腿部に可動軸を設けたり、可動域が広がるようにデザインし直しました。実現したかったのは、膝が胸に付くくらい曲がったり、右手が左肩に触れることができたりすること。劇中のポーズをすべてガンプラで自在に取れるようにしたかった。それを現在の技術で実現しようと挑戦してみたんです」

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最終更新:1/12(日) 7:47
NIKKEI STYLE

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