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「どこのチームに行ってもないこと」選手権の注目”静学”松村を陰ながら支える2年生SB

1/11(土) 6:02配信

SOCCER DIGEST Web

「将来的にCBをやるためにプレーの幅を広げさせたい」

「松村さんには『遠慮無く仕掛けてください』という思いでプレーしています」

 1995年度以来、実に23年ぶりの準決勝進出を果たした静岡学園の最注目選手と言えば、鹿島アントラーズに内定している右サイドハーフの松村優太(3年)だが、彼の後方には注目すべき1人の選手の存在がある。

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 2年生の右サイドバック・田邉秀斗。冒頭の言葉を口にした人物だ。180cmの高さを誇り、両足を使った正確なボールタッチと抜群のスピードを持つ来季の注目株。もともとセントラルポジションだったが、昨年5月に川口修監督は「将来的にCBをやるためにプレーの幅を広げさせたい」と左サイドバックに起用。選手権予選前には右サイドバックにコンバートされ、松村の後ろのポジションを託された。

「あの松村さんのスピードについていけるサイドバックは僕しかいないとも思っているので、そこは自信を持っています」と語るように、ずば抜けたアジリティーとスピード、圧倒的なテクニックを駆使して、どんどん仕掛けていく松村に対し、彼は距離感を意識しながら高速サポート。

 オーバーラップで追い越したり、インナーラップで折り返しを受けられるポジションに入ったりする一方で、松村がドリブルで左サイドまで持ち込んだ時は、中に絞ってアンカーの藤田悠介(3年)のラインまで上がり、カウンターをケア。常に頭を回転させながら、運動量とインテンシティーを落とさずにプレーする。松村が輝けば輝くほど、彼の負荷は大きくなる。だが、彼はそれを喜びに感じている。

「僕の第一の役割」は…

「2年生でこれだけ多くの役割をやらせてもらっているのは、僕にとって物凄くいい経験をさせてもらっていると感じています。それに松村さんのようなトップレベルの選手とコンビを組めることは、どこのチームに行ってもないことなので、そこは感謝しかありません。距離感を保つのが大変ですが、目の前に学ぶべき存在が常にいることは本当に幸せなことで、松村さんの抜き方とかタイミング、コースどりをゲーム中で体感させてもらっているので、一番吸収しやすいと思っていますし、自分にとって大きなプラスしかありません」

 今大会で勝ち進むということは、それだけ最高のお手本と一緒にプレーし、学べる機会が伸びるということ。ここまで来たのだから、最長となる1月13日まで貪欲に学び、成長につなげていくつもりだ。

「準決勝でも松村さんがのびのびとプレーできるようにすることが僕の第一の役割。矢板中央は長いボールが入ってきますが、そこで僕が下がってしまうと、右サイドの良さがなくなってしまうので、より献身的にプレーしたい。僕の持ち味である上下動を出したいと思います」

 陰ながら支える存在だが、そこには大きな輝きがある。初めての埼玉スタジアムの大舞台でも彼は頭をフル回転させながら献身的に走り続ける。もう1試合、大事な機会を掴み取るために。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

最終更新:1/11(土) 6:02
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