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戸田恵梨香と松下洸平の想いがすれ違う 『スカーレット』思いやりが生じさせた亀裂

1/13(月) 15:35配信

リアルサウンド

 八郎(松下洸平)が作品作りに悩む姿を見て、喜美子(戸田恵梨香)は何かできないだろうかと模索する。NHKの連続テレビ小説『スカーレット』が15週目を迎え、八郎の表情から、喜美子と八郎の優しさが交差して、互いの思いがすれ違っていく切なさを感じさせる回となった。

【写真】朝ドラでブレイク中の松下洸平

 喜美子は八郎と夫婦の時間を過ごすはずだったが、酔っ払って帰ってきた百合子(福田麻由子)の面倒を見ることに。かわはら工房で八郎と二人きりになった弟子の三津(黒島結菜)は、「喜美子が横におられるとしんどい」と呟いた八郎を気にかけていた。

 三津は天才肌の元彼・さそり座のヒロシと付き合っていたとき、同じような気持ちになったと八郎を励ます。「しんどい気持ちを払拭させるには、再び才能を開花させればいい」と話す三津に気圧されてしまう八郎だが、三津の「素晴らしい作品は売れる作品」との発言にヒントを得たらしく、前進しようとする。

 三津と話す八郎の表情は穏やかだ。三津とヒロシは、八郎と喜美子の関係そのものだった。今の自分と同じような境遇を味わった三津との会話に、八郎は居心地の良さを感じている。度々気難しい顔を見せる八郎だが、三津といるときは心なしか表情が和らぎ、陶芸にも素直に向き合えているように見える。

 一方で、喜美子は八郎に「銀座の個展はやらんでええ」と話す。そして「うちが稼ぐよ」とも。喜美子は、作品作りに悩む八郎を思ってこう言った。八郎を追いつめるつもりで言ったわけではないのだが、三津の「売れる作品」「家族を養うために黙々と作り続けた作品」という言葉にヒントを得た八郎にとってはタイミングが悪かったようだ。「喜美子は優しいな」「ありがとう」と返す八郎だが、その表情はどことなく強ばっていた。

 喜美子と八郎は互いを思い合っているのだが、彼らの優しさは交差してしまい、うまいこと伝わらない。何気ないシーンにも、その描写が映し出されていた。喜美子が顔つきのおにぎりを作る。目がハートになっているおにぎりは、喜美子から八郎への愛情を表しているのだと思うのだが、それを食べたのは三津だった。三津はそれを選んだわけではなく、たまたま手にとっただけなのだが。こんな風にして、さりげなく思いがすれ違い続けていく予感がする。二人の間に生じた亀裂が、これ以上大きくならないことを願いたい。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

片山香帆

最終更新:1/13(月) 15:35
リアルサウンド

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