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「帰る場ない」、有志弁護士が虐待受けた10代を支援

1/14(火) 13:48配信

オルタナ

虐待や非行、貧困などの背景から家に帰ることができず、緊急保護される子どもたちがいます。しかし彼らは、そのような状況に陥っても自分を責め、親に罪悪感を抱くといいます。大阪で居場所のない子どもたちのためにシェルター(緊急避難所)を運営するNPOに話を聞きました。(JAMMIN=山本 めぐみ)

居場所のない未成年の女性を対象に、シェルターを運営

NPO法人「子どもセンターぬっく(以下「ぬっく」)」は、虐待や非行、貧困などの背景から家に帰ることができず、居場所のない未成年の女性を対象に、シェルター(緊急避難所)を運営しています。

弁護士を中心に運営されているこのシェルターは、特徴として入居者一人ひとりに担当弁護士がつき、必要に応じて法的な対応をとったり、代理人として児童相談所や親権者と交渉したりもしながら、次の居場所探しや自立支援を行っています。

特に最近注力しているのが「シェルターを出た後の子どもたちの行き先」の確保だといいます。

「シェルターはあくまで短期滞在の場所なので『出先の確保』を目標とせざるを得ません。シェルターからの退居は終わりではなく、むしろ始まりであると認識しています」と話すのは、「ぬっく」理事長であり、弁護士の森本志磨子さん(48)。

「退去後に安定した生活があるわけではないので、退去後も適宜連絡をとり、面会するなどして細く長く支援を継続することが大切」と指摘します。

そのための一歩として、「ぬっく」は2020年春に自立援助ホームの開設を予定しています。「衣食住を共にするホームから進学や就職をし、社会生活を送りながら、自立した日常生活をしていく力を身につけることを目指し、生活全般を支援していきたい」と森本さんは思いを語ります。

虐待や性暴力などの被害に遭っても、「自分が悪い」と感じる子どもたち

シェルターに保護されるのは、どのような子どもたちなのでしょうか。

「皆、本当にシビアな虐待を受けてきています。身体的な暴力、暴言、放任(ネグレクト)、経済的搾取、性暴力などその態様は様々ですが、多くの子どもに共通しているのは、愛されたいはずの保護者から自身の意思や気持ちをことごとく踏みにじられ、自分の意思や気持ちに反した言動を強いられてきているということ」と森本さん。

「そのために、自分の意思や気持ちすらわからず、生きている意味もわからなくて自殺念慮に囚われ、自傷や大量服薬や男性依存などによって現実のつらさから一時的にでも逃れようとすることもある」と指摘します。

「『なんで生きる必要があるん?』『なんで自分を大切にしないとあかんの?』という子どもは、本当に多い」と話すのは、「ぬっく」の運営委員であり、弁護士の清水さやかさん(39)。

「10代で安心できる家がなく、家を出ても行き場がない。そうなると子どもたちはSNSで居場所を探し、『おいで』と言われてついて行き、ごはんを食べさせてくれて、つらい話を聞いてくれた男性から性被害に遭っても『わかって行ったのだから自分も了解していたのだ』と、被害だとも思わずに自分を責めるのです」

「虐待を受け続ける中で『自分には何の力もない』と思い込んでいたり、束の間でも人の温もりが欲しい、その場限りの優しさとわかっていても優しさが欲しいと援助交際やデリヘルなど性産業の世界に取り込まれる場合も少なくありません。このような背景を持つ彼女たちは、シェルターに入ることもなっても『自分が悪い』『自分が選んだのだから』と罪悪感を抱いていることが少なくありません」

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最終更新:1/14(火) 13:48
オルタナ

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