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【昭和の名車144】スプリンターカリブは、新世代のレジャービークルとして人気を博した

1/14(火) 6:31配信

Webモーターマガジン

トヨタ スプリンターカリブ(AL25G型):昭和57年(1982年)8月発売

昭和は遠くなりにけり、か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ スプリンターカリブ」だ。

【写真】リアビューやインパネ、エンジンなどを見る(全6枚)

1981年(昭和56年)の東京モーターショーに参考出品車として展示されたトヨタRV5が、スプリンターカリブとして登場したのは1982年8月。時代背景として4WDの人気が急速に高まっていたことがある。すでに4WDは降雪地帯では日常の足としても欠かせない存在であることは認識されていたが、業務用というイメージの時代が続いていた。

4WDに対するユーザーの意識が多様化し、実用性だけでなくレジャー的要素を求めだしてきた。このようなユーザー意識の変化を読み取って登場したのが、スプリンターカリブだった。そのスタイルはレジャービークルとしての性格を前面に押し出し、全体的な味付けも乗用車感覚そのものとなったが受け入れられた。

搭載されたエンジンは3A-U II型で、パワースペックは最高出力83ps/最大トルク12kgmとスポーティさを求めたエンジンではないが、実用性に長けたユニットだった。新空燃費制御システムの採用などによって燃費向上を図り、イグニッションコイルとイグナイタ-を内蔵した集積型ディストリビューターや、上下タンク部を樹脂化したファインフィンピッチのSRラジエターなどの採用により小型・軽量化及びサービス性の向上もぬかりなかった。

乗用車として使うにあたり、振動や騒音を低減するためにエンジン結合部に防振ゴムを使用したフローティングタイプエアクリーナーや、エンジンマウントのロングスパン化、ドライブシャフトのダイナミックダンパーなどを採用している。エンジンと最適なマッチングをはかった駆動系と、剛性が高く軽量なボディなどの相乗効果で10モードでは14.0km/Lの優れた燃費を実現した。

トランスミッションは、エンジン縦置きFFであるターセル/コルサ/カローラII用トランスアクスルの後部にエクストラローギア(4WD時変速比4.714)を追加し、エクストラロー付きトランスミッションとしている。2-4セレクター(FFから4WD切り替えレバー)はシフトレバー後方に配置され、リンク接合部にはボールジョイントを採用してセレクトフィーリングの向上を図った。

サスペンションは、フロント:ストラット/リア:ラテラルロッド付4リンクリジッド。フロントは、スタビライザーとストラットバーを一体化。リアサスペンションは、前後方向を支持する4本リンク配置及びアームブッシュの最適化により操縦性・走行安定性、そして乗り心地の向上を図った。スタビライザーも装着され、乗用車感覚へのこだわりが見える。

ステアリング機構はラック&ピニオン式で、エンジンが縦置きで横幅をとらないこともあり、ハンドルの切れ角を大きくして最小回転半径は4.8mと小さいものとなったのも好意的に受け入れられた。さらにAV-IIグレードには回転数感応型のロータリーバルブ式パワーステアリングを採用し、より快適性、利便性をアップさせている。室内はハイルーフとして居住空間を広くとり、フロントシートを最前端へスライドさせ、ヘッドレストを外した状態でフルリクライニングさせると、フロントシートからリアシートクッションまでフラットなスペースが得られようにした。

いわゆるクロスオーバーSUVの先駆けとなったスプリンターカリブは、以後も土臭さを感じさせない4WDという路線で大きな支持を得るようになっていった。4WDをマニアだけの手から解き放ったともいえるだろう。

トヨタ スプリンターカリブ AV-II 主要諸元

・全長×全幅×全高:4310×1615×1500mm
・ホイールベース:2430mm
・車両重量:1015kg
・エンジン型式/種類:3A-U II型/直4 SOHC
・排気量:1452cc
・最高出力:83ps/5600rpm
・最大トルク:12.0kgm/3600rpm
・トランスミッション:5速MT
・タイヤサイズ:175/70SR13
・車両価格:145万円

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最終更新:1/14(火) 6:31
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