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日本郵政、神戸製鋼所・・・現場知らずの経営が招く「不正」

1/14(火) 14:12配信

日経BizGate

日本企業が犯した重大エラーから学べ

 企業の不祥事が後を絶たない。中でも不正な保険販売が社会問題化した日本郵政グループは、3社のトップが総退陣し、代わって増田寛也元総務相が日本郵政の新社長に就いた。「失敗学会」事務局長である飯野謙次氏は「郵政グループは過去に日本企業が犯した重大エラーから教訓を学んでいなかった」と指摘する。事故や失策を科学的に分析し、知識化して再発防止に役立てるのが失敗学だ。飯野氏は「コンプライアンス意識の欠如や組織文化の荒廃といった視点だけでは、企業トラブルの発生は防げない」と警鐘を鳴らす。

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・日本郵政グループ3社の不正な保険販売
 顧客に虚偽の説明をして保険料を二重に払わせるなどの不正行為で高齢者らに保険販売を行い、社会問題となった。金融庁は昨年末、かんぽ生命保険と日本郵便に新規の保険販売を対象に3カ月間の業務停止命令を出した。日本郵政の長門正貢社長、日本郵便の横山邦男社長、かんぽ生命の植平光彦社長は5日付で辞任した。
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「現場を知らないノルマは必ず不正を招く」

 飯野氏は、日本郵政の長門正貢前社長らが「情報が上がってこなかった」と記者会見で繰り返した点に注目する。「現場を知らない経営者からのノルマは、必ず不正を招く」と飯野氏。同グループは収益を高めるために過剰なノルマを課していた。保険の不正販売は、かねてくすぶり続けた火種だったが、経営陣は「販売状況は改善している」とする現場からの報告を疑わなかった。

 飯野氏は「失敗学では、過度のノルマは経営層が自分たちの力量を見誤ったからと考える」と話す。そのようなサービスの売り方に走ってしまうこと自体が、十分な競争力を持っていないことの表れだという。事業と製品、サービスがよく理解できていない管理層が勝手に設定するノルマは事業の崩壊につながりやすいと指摘する。

本社と現場の意識が乖離した検査データ改ざん

 こうした不祥事は営業の現場に限らない。飯野氏は「本社と現場の意識が乖離(かいり)していたという点で2017~18年の大手メーカーの検査不正問題と構造が似ている」と分析する。本社が求める厳しすぎる品質基準が、現場の実情にそぐわず、不正の温床となったケースだ。

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・大手メーカーの検査不正問題 2017年秋に神戸製鋼所が内外600社以上に出荷していたアルミ・銅製品の品質データ改ざんを発表した。以降、三菱マテリアルや東レ子会社、日立化成などの大手メーカーでも見つかり、製造業での「不正発覚ドミノ」が続いた。
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 日本の検査レベルは高い。不正発覚後には、製品として安全に問題はないことを取引先の数社が発表した。飯野氏は「改ざんされたデータはわずかに目標未達とか強度が必要とされていない部品だったかもしれない」と推測する。現場技術者の経験則で、基準を若干下回ったとしても、事故にはつながらない。その意識が規定を軽視するようになっていった可能性は高い。それでも「企業イメージと信用を大きく傷つけ業績にも響いたことは間違いない」と飯野氏。

 飯野氏は「日本は検査に対する柔軟性が足りなかった。現在は改善されつつあるが、原発でも以前は傷が付いた部品は、程度にかかわらず、必ず修復するように決めていた。海外のように安全に問題がないもの、修復が必要なものに分類して、それぞれきめ細かく対応することはなかった」と話す。マジメに対応すればするほど検査期間が大幅に延長され、実質的ではなくなる。それが結局は基準軽視につながったわけだ。

 さらに当時の記者会見で、現場のコンプライアンス意識の低さに触れた企業トップもいた。「責任を現場に押しつけて終わらせるような組織は、体質自体に問題を抱えている。いずれ過ちを繰り返す」と飯野氏。04年からリコールを繰り返した三菱自動車のケースが当てはまるかも知れない。

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最終更新:1/14(火) 14:12
日経BizGate

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