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漁師たちが力強く歌い上げる人生賛歌を聴け! 英映画『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』

1/14(火) 14:30配信

nippon.com

渡邊 玲子

イギリスの小さな漁村で地元の漁師たちが結成したコーラスグループがメジャーレーベルと契約し、デビューアルバムが全英チャートでまさかのトップ10入り。そんな嘘のような本当の話を映画化した『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』は、本国で観客動員数100万人を超える大ヒットを記録した。笑いと感動の話題作が日本で公開されるのを機に、クリス・フォギン監督に話を聞いた。

漁師たちのサクセスストーリーに映画ならではの味付け

イギリス本土の南西端にあるコーンウォール地方の漁村。地元の漁師10人がコーラスグループを結成し、週に1度、港で慈善コンサートを開催していた。その名は「フィッシャーマンズ・フレンズ」(漁師の友)。世界で愛されるミント・タブレットからちゃっかり拝借した名前だ。古くから伝わる漁師唄をレパートリーとする力強い歌声に、ある音楽マネージャーがほれ込み、2010年にメジャーレーベルと100万ポンド(現在のレートで約1億4300万円)で契約すると、デビューアルバムは見事ゴールド・ディスクに輝いた。

この実在する人物たちのサクセスストーリーを題材に、独自の味付けを施して映画化したのが『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』。2016年に『キッズ・イン・ラブ』で長編デビューを果たした34歳の新鋭、クリス・フォギンがメガホンを取り、マネージャーと漁師たちが絆を深めながら夢に向かって前進する姿を描いた。

フォギン監督は脚本に興味を持った理由についてこう明かす。

「この映画はフィッシャーマンズ・フレンズのサクセスストーリーであると同時に、音楽業界で働くダニーの『自分探し』の物語でもあります。本当に目指すべきものは何なのか、そのためにはどんな生き方をすべきか。そんな風に彼が自分を見つめ直していくところに惹かれました」

物語の主人公は、実在のマネージャー、イアン・ブラウン氏をモデルに創作した人物「ダニー」。音楽業界では名の知れた敏腕マネージャーという設定だ。ダニーはある日、仲間たちと旅行でコーンウォールの漁村を訪れる。浜辺では無骨な男たちが村の住民を前にコンサートを行っていた。初めて聴いた漁師唄に面食らっていると、同行の上司は「彼らと契約を交わせ」とけしかけ、ダニーを村に置き去りにしてしまう。

だが漁師を生業にする彼らにすれば、週に1度浜辺で歌い、仲間の経営するパブでビールを飲んで騒ぐのが楽しみなだけ。メジャーデビューの誘いは一笑に付されてしまう。しかしここからがやり手で鳴らすダニーの腕の見せ所だ。漁船に同乗して彼らの懐へと飛び込み、くせ者ぞろいだが根は純朴な漁師たちを口説き落とし、まんまと契約を結ぶことに成功する。地元の古い教会でレコーディングに入ると、仲間と歌い上げる漁師たちの固い絆と、純粋に音楽を楽しむ姿に心を打たれ、かつてない達成感を味わうダニー。ところが成果を報告した上司からは「冗談を真に受けた」と馬鹿にされ、はしごを外されてしまう。漁師たちが近づいたメジャーデビューの夢は、果たして幻に終わるのか……?

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最終更新:1/14(火) 14:30
nippon.com

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