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投資信託の「リスクの数値」を自分で調べて比較・検討する方法

1/14(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

資産運用の世界では、リスクへの理解が最も重要だとされています。そして、価格変動特性をある程度予測できれば、リスクを過大に恐れる必要はありません。本記事では、富裕層だけが存在を知る歴史的なプライベートバンク、ピクテが、実績に裏打ちされた独自の運用哲学をわかりやすく紹介しながら、初心者の資産運用にも役立つ投資テクニックを紹介します。

「標準偏差」を知ればリスクは怖くない

本記事は、人気記事ピックアップ 『国債は安全資産ではなく、ただのリスク資産になってしまった』 の続きです。

プロの資産運用の世界ではリスクに対する理解が最も重要となります。なぜ重要かというと、統計学を用いて過去の実績を分析することで、各資産クラス(市場)の価格変動特性をある程度予測できるからです。

価格変動特性を数値化したものを資産運用の世界ではリスク値(すでに出てきた統計学でいう標準偏差)と呼びます。一般の方が統計学を詳しく覚える必要はありませんが、ひとまず「標準偏差によって、極端なケースを除いてだいたいこのくらいの範囲に収まるという範囲を知ることができる」とご理解ください。

ここで、10年間の平均リターンが年率5%で、リスク値(標準偏差)が年率10%の投資信託があったとしましょう。この投資信託の価格の振れ幅は、5%の平均リターンを中心にプラスマイナス10%の範囲、すなわちマイナス5%~プラス15%の範囲に「だいたい」収まる、その「だいたい」の割合が全体の68.3%であることを示しています。

この割合が高いほど信頼性が高まりますが、そのためには標準偏差を2倍にする「2標準偏差」が有効となります。2標準偏差とは、標準偏差が2倍ということですから、平均リターンを中心にプラスマイナス20%(10%の2倍、マイナス15%~プラス25%)を意味し、変動がその範囲に収まる割合が全体の約95.4%にまで上がります。

実はこの約95%という数値は統計学上重要な数値です。これは「信頼度95%」と呼ばれ、残りのデータが全体の5%であれば、その数値は十分意味があると判断されます。また、人間の感覚においても、5%の確率で発生したことは例外と感じるようです。そのため、様々な研究や調査の結果のデータの有意性を判断する際にも、95%を基準とすることが多くなっています。

実際の運用では、仮に先ほどの投資信託の価格が1年間で2標準偏差が示す下限の下落率15%を超えて下落した時には、通常ではない事態が発生したと認識する一方、そこから更に10%下落すると3標準偏差の範囲に達し、その範囲を超えるのは全体のわずか0.3%であることから、バーゲンハンティングの機会、絶好の買い場と捉えることもあります。もちろん、これが当てはまるのは十分に分散投資され、流動性リスクの少ない投資信託であるという前提になりますが…。

話を戻しましょう。2標準偏差の範囲に収まるのが全体の95.4%であると説明しました。さて、ここで重要なのが残りの4.6%です。

このケースは正規分布している前提で上と下どちらへのぶれも合わせた数値ですので、上へのぶれが発生するケースはその半分になり、下へのぶれも同様です。つまり、上に20%以上ぶれてリターンが25%以上となるケースが2.3%、下に20%以上ぶれてリターンがマイナス15%を下回るケースも同じく2.3%あるということです。そこで、金融商品の開発をする我々のような立場では、商品の価格変動リスクを想定する際には信頼に値すると考えられる2標準偏差以上を使用しての、下落リスクの予測を行います。

もちろん、以上の標準偏差についての説明は、資産のリスク量は常に一定で、その価格変動は確率論や統計学でのある法則に従うと仮定した場合のものです。一つの目安とお考えください。ただし「95.4%」という数値を知れば、過大にリスクを怖ろしく感じることはなくなると思います。

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最終更新:1/14(火) 8:00
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