ここから本文です

医学部受験「定員数」が減少…医師不足が問題なのに、ナゼ?

1/14(火) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

長期に渡る医学部受験。わが子はしっかり勉強しているのか、今年こそ合格できるのか…心配が積もるばかりです。最新の大学情報・勉強法・メンタルケアの方法を知り、親子ともども、来たる日に備えましょう。医学部受験の最新情報を配信する『集中メディカ』より厳選した記事をお届けする本連載。今回のテーマは、医学部受験で「定員数が減少しているワケ」。

10年以上、医学部の定員数は「増加」していた

2008年からの13年間、医学部の入学定員数は増加の一途をたどっていました。しかし近年、状況が一変。日本は「医師過剰の時代」へ突入し、医学部受験が難化する兆しも見え始めました。

入試シーズン真っ只中。定員数の減少がどんな影響を及ぼすのか、今知るべき情報をまとめました。

◆令和2年度の国公私立大81校の医学部総定員は「9330人」

文部科学省は、令和2年度の国公私立大81校の医学部総定員を「9330人」とする計画を発表しました。これは、前年度の定員である9420人から90人も減少する計算になります。2020年度の地域枠については、一部増加も確認されていますが、その分を差し引いても64人の減少です。

各大学の医学部募集人数では、国公立大13校、私立大10校の合計23校が定員減となり、そのなかでも特に減少幅が大きかったのは、前年度比19人減の116人となった東北大、15人減の105人となった山形大、12人減の105人となった旭川医科大、8人減の107人となった近畿大など。定員増は、3人増員で120人の鹿児島大、5人増員で126人となった日本医科大、同じく5人増員で127人となった関西医科大のわずか3校に留まっています。

厚生労働省と文科省の説明によると、定員減となったのにはいくつか要因があります。

まず、都道府県が地元の医師不足解消のために設けた「地域枠入試」制度の崩壊です。卒業後、地元の医療機関で勤務することを条件に奨学金を貸与する制度ですが、過去11年間の地域枠の募集で、合計約2600人分の定員割れが発生しています。そのため、2020年度は募集・増員を希望する自治体が少なかったのです。

加え、各大学が地域枠で埋まらなかった定員分を「一般枠」に振り替えていたことがわかっています。それらの状況を踏まえ、文科省は医学部の定員見直しに踏み切ったのです。

ちなみに、昔の医学部はもっと狭き門で、2007年度の入学定員は7500人余りでした。当時の医学部定員は、政府の閣議決定により「毎年7600人程度」という上限が設けられており、現在より2割も少なかったのです。そこからこの10年あまり、なぜ増員し続けたのでしょうか。

2000年代前半、各病院が医師不足に陥ったため、救急搬送の患者を受け入れられるキャパシティがなく、「救急車たらいまわし」問題が多発していました。複数の医療機関から受け入れを拒否された患者が死亡する事態も発生し、医師不足は社会問題として大きく取り上げられるようになりました。

この問題を重く受け止め、政府は2006年に「新医師確保総合対策」、2007年に「緊急医師確保対策」を立ち上げ、その一環として各大学医学部の定員増員を決定しました。具体的には、2008年度より、入学定員を168人増の7793人に引き上げたのです。その後、年々増員が続きましたが、この政策は暫定10年間のもので、2018年度で終了する計画でした。

2019年度は東京医科大の裏口入学事件が発端となった「不正入試問題」という突発的トピックに見舞われ、定員減の話題はあまり取り上げられませんでしたが、2020年度以降はこれが医学界のメインテーマとなってきます。

1/2ページ

最終更新:1/14(火) 11:00
幻冬舎ゴールドオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ