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年初に考える2020年代の働き方とは? 「幸せな経営」は、もうきれいごとではない

1/14(火) 8:00配信

Book Bang

 最近の講演依頼で増えているテーマが、「幸せな働き方」です。
 それにしても、なぜ工学博士の僕が働き方の研究をしているのでしょうか。
 もともとロボット研究から人間の「心」の研究を始めたことがきっかけです。人はどんな状態が心地よいかと研究しているうち、人の感じる価値には様々ある中で、最上位はやはり「幸せ」だと思った。そこで幸せを科学的に追求する研究を始めました。
 さらに心理学や教育学、経営学などと結びつけ、幸せを多方面から研究しています。

 でも、なぜ経営に幸せの観点が必要なのでしょう? 
 人は幸せな状態では、創造性が3倍、生産性は31%、売上は37%高くなるというデータがあります。幸せな人はそうでない人に比べて良好な人間関係を持ち、転職率や欠勤率が低い傾向もある。また幸せを感じると、視野が広くなるという研究結果もあります。視野が広くなるということは、大局的な判断ができるということ。
 ですから、働く人が幸せになると職場や会社にもメリットがあるというわけです。

 むしろ、旧来のピラミッド型組織では創造的なアイデアが生まれ辛いのが現状です。
 情報格差が顕著でピラミッドの頂点に知恵が集まった時代から、短期間で最先端の状況が入れ替わる時代になりました。少数のトップの知恵に依存するより10人、100人、1000人の知恵を融合し、それぞれの強みを引き出せる組織の方が強い。オープンイノベーションが進む今は、ピラミッドの中に答えはないのかもしれません。

 では、働く人が幸せな職場とはどんな職場でしょうか? 
 もちろん業態や社風による違いはありますが、国内外の幸せな職場を研究してきた結果、大きな共通項になるのはメンバーの「主体性」を活かす組織です。
 上司が部下を放っておく組織は論外ですが、上から目標を押し付ける組織も問題です。最近よくあるのが、経営者がやる気になって目標設定の勉強会に行き、頑張って目標を決め、押し付けられた現場の部下たちが疲弊している、という構図です。
 上が設定した目標を部下に押し付けるのでは、「やらされ感」だけを感じてしまいます。どんな状態であれ、人は「やらされ感」を感じる時点で幸せではありません。
 目標設定はいいのですが、同時に、社員のやる気をいかに醸成するかが大事です。
 目標設定の勉強会に行くなら、トップだけでなく現場の者にも行ってもらうとか、現場の人が主体的に動く仕組みを考える。リーダーに必要なのは、今の職場はメンバーが自らやってみようと思える職場になっているかどうかを考えてみることです。

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最終更新:1/14(火) 8:00
Book Bang

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