ここから本文です

選手権V静岡学園の「勝つ意識」。上手いだけでは青森山田を崩せない。

1/14(火) 20:31配信

Number Web

 「王国復活の使者」と「絶対王者」。

 第98回全国高校サッカー選手権大会決勝。静岡学園vs.青森山田の一戦は、コツコツと積み上げてきた確固たるスタイルを持つチーム同士の対決だった。

【秘蔵写真】高校生なのに金髪の天才MFにヤンチャそうな長谷部、中田英、俊輔、イケメン増嶋&柴崎、半端ない大迫、平山、セクシーな乾に24年前の静学優勝!高校サッカー伝説。

 お互いに絶対になくしてはいけない信念がある――。

 静岡学園は現在、コーチとして指導する井田勝通前監督が40年以上前から「今ではなく、10年後、さらにその先の姿をイメージするために、技術を磨かないといけない」と『リズム・テクニック・インテリジェンス』をスローガンに徹底して個のスキルを磨き上げてきた。

 井田氏の教え子である川口修監督が、コーチとして12年経た後の2009年に監督に就任すると、そのスタイルを継承しつつ、技術をより試合で発揮するためのエッセンスを注入。脈々と「静学スタイル」を育んできた。

選手たちに勝ち方を考えさせる。

 「基本的にずっとコンセプトは変わっていない。選手として上のステージに行ったときに何が必要かと考えると、やはり技術なんです。ただ、技術を身につけただけではいけない。技術をしっかりと試合で使えるようにしないといけないので、相手と駆け引きをして、相手と戦況を見る目をいかに養えるか。相手を見て、自分で判断できるようになることで、それに適した技術を使うことができる。それは今年のチーム、毎年徹底してやった。

 僕が常々思っているのは、相手が青森山田だろうが名古屋グランパス(U-18)だろうが、清水エスパルス(ユース)だろうが、我々が自信を持った確固たる武器を持っていれば、絶対に相手を倒せるんです。我々、スタッフがやるべきことは、勝ち方を教えるのではなく、選手たちに勝ち方を考えさせるように仕向けること。そのために自分の特徴、使える武器は教えていく。つまり相手を倒すためのテクニックの使い方を教えることが大事だと思っています」(川口監督)

やりたくないことを我慢できるか。

 一方の青森山田は、黒田剛監督が「ゴールを隠す守備」と表現する1対1の個の強さと守備のスライドの速さ、そして素早い攻守の切り替えからの個の技術を生かしたカウンターが持ち味にしてきた。

 だが、これを具現化するためにベースとなるのが、技術ある選手たちが最後までハードワークし続けられるフィジカルと精神力を持っていることだ。

 「この間も選手に言ったのですが90%くらいで『ここまで戻らなくてもいいや』とか、『自分だけならいいだろう』という気持ちの選手が11人中11人いたら、トータル110%チーム力が失われる訳で、実質1人退場した時よりもダメージが大きい。そういう時に失点する。常に『その気持ちが一番危険なんだ』ということを伝えてきましたし、決してウチは強くはない。

 だからこそ、本当にやりたいことをやるためには、やりたくないことをどれだけ我慢してやり抜けるか。ボールを奪う攻防で一歩も引かないなど、一番疲れることを前面に押し出しながら戦うことで、必ず光が見えてくる。プレミアリーグでJクラブユースに勝って優勝できたのは、一番やりたくないことをやり続けたチームが我々という証なんです」(黒田監督)

 お互いがこだわりとプライドを持って育んできたスタイルが、5万6025人の大会史上最多の観客が見つめる中で、真っ向から激しくぶつかり合った。

1/5ページ

最終更新:1/14(火) 22:05
Number Web

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事