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今後の生き残りに向けた実験的な試み。ドイツ3部クラブの新たな挑戦(後編)

1/15(水) 11:13配信

footballista

文 鈴木達朗

 ドイツ国内で2番目に株式上場を果たしたドイツ3部のウンターハヒンク。人口およそ2万5000人の小さな街に本拠を構え、バイエルンや1860ミュンヘン、アウクスブルクなど、近くにライバルがひしめくなか、資源の限られた地方の小クラブが打った次の一手が「マネージャーとしての監督」の養成だった。

 前回に続いて、提携先の『インターナショナル・フットボール・インスティチュート(IFI)』のフロリアン・カインツ教授が解説する現代サッカーのマネジメントについて見ていこう。

求められるのはリーダーではなくマネージャー

 現代の成功しているチーム経営者の特徴の1つに「チームを軸に動けること」が挙げられる。一昔前のドイツのサッカー界では、先頭に立ち、大声でチームを引っ張るような典型的なリーダーが求められた。だが、選手とスタッフを含めて数十人規模の組織を率いる現代サッカーのトップチームの監督には、チームを運営するマネージャーとしての能力が求められる。

 「メンバーを納得させ、目的地に向かってともに歩んでいくためには、チームとしての活動を軸に動かなければならない。論拠を明確にし、各メンバーが納得できるように説明できなければならない(チームビルディング。同時に、メンバー同士の衝突などの問題の兆候を事前に察知し、早い段階で対処を施すコンフリクト・マネジメントも必要となる。この能力は、現代の経営者にとって特に重要な能力だ」

 このように、チームのメンバーに“ビジョン”を示す能力と、内部での人間関係の軋轢に対処する能力が何よりも求められる。「加えて、チーム内の動機や精神的な状態に耳を澄ませることも重要だ。周囲から届けられる声にブレてはいけないし、厳格な命令を下すことなくチームを導くことが求められる(モデレーション)」

目標達成の基盤となる「共感力」

 チームをマネジメントするためには、上記の「チームビルディング」、「コンフリクト・マネジメント」、そして「モデレーション」の3要素がとりわけ重要となる。これらは非常にデリケートな作業が求められるが、そこで決定的な意味を持つのが「共感力」だ。

 メンバーの言い分を聞き取った上で、彼らを自分たちの進む方向性に納得させられるかどうか。そして、それができるメンバーかどうかを見極める作業が必要になるのだ。適切な人間をメンバーとしてチームに採用し、双方向のインタラクティブなコミュニケーションを行いながらビジョンを示すことで、ワンチームとなって目標を達成する。そのための基盤となるのが、メンバーの考えに「共感」し、理解する能力なのだ。

 リソースが限られるなか、今後の生き残りのために指導者養成に投資を行うウンターハヒンクの実験的な試みは成功するのか。現U-20ドイツ代表監督のマヌエル・バウム、サウサンプトン監督のラルフ・ハーゼンヒュットル、元レバークーゼンのハイコ・ヘルリッヒなど、ブンデスリーガで指揮を執った監督たちを輩出しているクラブだけに、その投資効果がどう出るのか、気になるプロジェクトになりそうだ。

最終更新:1/15(水) 11:13
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